swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2020-01-01から1年間の記事一覧

使われない、大金を掛けた「マルメ・サウンド」

今年の2月、マルメ市が485,000クローナ(約600万円)の大金をかけて「マルメ・サウンド」を制作したことがニュースになった。目的はマルメのアイディンディを高めるマーケティング活動に使用すること。作られた音はマルメを紹介する様々なプレゼンテーショ…

有名人と報道機関の名を語るビットコイン詐欺

ダーゲンス・ニュヘテルが国外の報道機関と共同して大掛かりなビットコイン詐欺の仕組みを紹介している。これによると詐欺はあまりにも大胆であったために引っかかってしまった人が多く出たようだ。報道によるとその手口はこうだ。 1.偽の広告 まずは有名…

ブラックフライデーはウィークへ、グリーンへ

スウェーデンのEコマース上の決済の約半分を取り扱うオンライン決済サービスのクラーナは、この月曜日から金曜日の一週間の取扱高が昨年比で41%増となったと発表した。背後にあるのは、もちろんブラック・フライデー。 今年はコロナの影響もあってか、金曜…

そこにいるスパイ

スウェーデンを標的にした外国からの産業スパイが増えている。特に中国とロシアから。 これは、木曜日にスウェーデン議会の防衛委員会と外務委員会が共同で開催した、防衛大臣とスウェーデン治安警察(Säpo)並びにMUSTと呼ばれるスウェーデンの諜報機関を招…

政府を監査

政府を批判するのは野党の役割かと思っていたら、スウェーデン議会には憲法委員会(KU: Riksdagens konstitutionsutskott)という監査機関があって、政府の実施した政策や振る舞いを監査し、それが憲法やその他の行政法に適合したものであるかに関する報告書…

高齢者向け施設の機能不全

非常事態であったことを考慮しても、コロナ禍のスウェーデンの高齢者向け施設で提供されていたサービスの質はひどいものであった。 これは、高齢者向け特別住宅やその他各種のサービスがコロナ禍でどのように機能していたかを医療福祉監査庁(IVO, Inspektio…

東京オリンピック、「フルの観客」のニュース

国内外で大変なことばかり起こっているので、スウェーデンでは日本に関するニュースはほとんどみかけないが、昨日は東京都の小池知事がフルの観客でのオリンピックは可能であると発言したことがニュースになっていた。 小池知事は「ベストなシナリオでは世界…

マジック・マッシュルームをうつ病治療に

カロリンスカ研究所とストックホルム広域圏医療は共同で、いわゆる”マジック・マッシュルーム”に含まれるサイケデリック成分であるシロシピンをうつ病の治療に使用する研究を開始する。 研究プロジェクトのカロリンスカ研究所サイドの責任者であるヨハン・ル…

飛行機に乗りたい

昨日は首相から国民へのお話があったり(「不要不急なこと以外はすべて取りやめ、キャンセルし、延期して」)、公衆衛生庁のカールソン長官が「ワクチンの副作用はないとは言いきれない」と話したり、またスウェーデンがOECDからコロナ対策に関する最低の成…

『スマホ脳』

三連休なのにスマホばっかりみてません? 最近のスウェーデン発の本では『ファクトフルネス』が日本でも大好評ですが、同じくスウェーデンで旋風を巻き起こした『スマホ脳』が新潮新書から発売されました! アンデシュ・ハンセン、久山葉子/訳 『スマホ脳』…

ストックホルムの右靴泥棒

目下ストックホルムのソーデルマルム地区を恐怖に陥れているのは(誇張ですw)、謎の右靴泥棒。ある日、ある時、あるヨガスタジオで始まった右側の靴だけが盗難にあうという奇妙な現象は、一度に15もの右靴だけが消えてしまった事件を含み、いまだに誰がなん…

閉まるスカンセン

129年の長きに渡り営業を続けてきたストックホルムの野外博物館スカンセンは、11月27日から営業を一時停止する。 毎年楽しみにしている人の多い有名なクリスマス・マーケットも開催されず、営業停止は今のところ春先ぐらいまで続く見込みだ。厳しくなった政…

子どもの長期コロナ感染症

「長期コロナ感染症」や「子どもの新型コロナウイルス感染」についてはこれまでも耳にしてきたが、この度カロリンスカ研究所のヨナス・ルッドヴィグソン小児科医がまとめたのは「子どもの長期コロナ感染症」だ。 何ヶ月もの間、疲労感や喉の痛み、息切れなど…

PCR検査の現在・過去・未来

これまでに300万件のPCR検査が行われ、16万人の新型コロナウイルス感染が確認されたスウェーデン。先週は一週間で26万件のPCR検査が実施され、これまでの最高記録となった。 これは春には一日に200件の検査を処理していたダーラナのファールン広域病院にとっ…

心弾まないクリスマス

スウェーデンで他の地方に先駆けてこの秋一番最初に「同居の家族以外の人との接触をさける」などの行動規制要請がでていたウプサラ、スコーネで、その地方別の勧告が12月13日まで延長されることが昨日発表された。 公衆衛生庁は、それ以降はクリスマスとなり…

「8人」とは?

新型コロナウイルスの感染が急拡大するのに、春先と同じようにはならない人々の行動変容にしびれを切らしたスウェーデン政府が昨日発表したのは「8人を超える公共の集まりの禁止」だ。昨日の記者会見でロベーン首相が11月24日からの禁止の発令に向けて手続…

遺伝子と犬

スウェーデンの35000組の双子の遺伝子を分析した2019年の研究によると、犬を飼いたくなるかどうかは遺伝子が影響している可能性が高い。ウプサラ大学の分子疫学のトーヴェ・ファル教授はこの先ゲノム解析により、どの遺伝子で犬にひきつけられるかどうかがわ…

公衆衛生庁の相反するメッセージで起こらない行動変容

スウェーデン政府と公衆衛生庁はこの秋の第2波に際してコロナ関連の情報伝達に失敗した、という議論がスウェーデン議会・社会委員会で交わされている。感染の拡大局面前に行動制限を緩和する発表も行い、国民を混乱させたというものだ。 現在はスウェーデン…

自殺教唆を犯罪に

スウェーデン政府が自殺教唆、いわゆる自殺のそそのかしを犯罪化することを検討している。 あれ、それって既に犯罪じゃなかったっけ? と思った私は日本人。なんとなく覚えていたのは日本の職場でのいじめによる自殺で書類送検された元上司の事件のことだっ…

アメリカの特殊部隊との秘密のニュース

「スウェーデン国防軍は目下、アメリカの特殊部隊と秘密の訓練を行っている」って、ニュースになった時点で秘密ではないのでは? と昨日トンチのようなニュースを見た。このニュースの意図するところはなんなのか? 通常、特殊部隊は諜報活動を含めた特殊な…

コロナと隣国。ノルウェーからの「コロナ恥」差別

「ノルウェーで今起こっている事態に心を痛めている」と、昨日スウェーデン公共ラジオのインタビューに答えたのはノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相。 コロナ禍の今、ノルウェーに住むスウェーデン人や毎日ノルウェーに通勤しているスウェーデン人に向けら…

知らないうちに年金積立の8%をグリーンボンドに投資していた件

気候変動問題への意識の高まりに呼応して株式市場での資金の調達が難しくなってきた例えば化石燃料系産業は、今もまだ債権市場では資金調達に成功している。 世界の債券市場は株式市場よりも大きいため、気候危機問題への対処を加速するには債権市場でお金が…

「また死者は増える」を深刻に受け止めて

「アメリカの人たち、こんなに騒いでいても大丈夫かなぁ」とか余計なお世話をしていたら、スウェーデンの新型コロナウイルスも「え、ちょっとこれ、大変」な感じになってきた。 昨日発表された数字をいくつかあげると、今スウェーデンで新型コロナウイルスで…

これからの世界地図、日本はどこにいる?

アメリカの大統領選挙でジョー・バイデンの勝利が確実視され、スウェーデンの公共放送SVTが最初に持ってきたのは、経済問題でも軍事問題でもなく気候変動問題への影響を解説した記事だった。 これはアメリカの大統領選だったが、その結果次第ではケニアの農…

森の中の揺れる会議場

私の周囲ではこれまでのコロナの中でも機会が合えばミーティングルームで距離をとって座りごくたまに開催されていたF2Fな会議も、この間からすべてリモート会議になってしまった。今はとにかく屋内で他の人と交わることをできるだけ避けなくてはならない。 …

テロで強まる特別警戒体制

加盟国内の自由な移動を掲げたシェンゲン協定にもかかわらず、スウェーデンでは、本来一時的なものであったはずの国境のコントロールを2015年11月以降、もう5年間も続けている。 そして最近フランスやオーストリアで立て続けに起こったテロ事件を受けて、こ…

デジタル映画祭と北欧人が闇にみるおかしみ

北欧内ではダントツの権威を誇るヨーテボリ映画祭とは異なり、市民のお祭り色の濃いストックホルム国際映画祭。コロナ禍の今年もこの11日から開催されることは決まったが、リモートでも参加のできるフェスティバル・オンデマンドの形となった。しかし、それ…

衣料の最先端再生技術で、資源原産国になるか、スウェーデン

この度稼働したマルメのSiptexは、最先端の技術と装置を備えた衣料の再生利用に特化した施設。 合計260メートルに渡る長いベルトコンベアの上に古着を流し込むと、センサーが綿、ポリエステル、ウールなどの素材を瞬時に判断して自動分別していく。世界でも…

蚊の密集する冷たい沼地でおっさんたちがヘラジカバレエを踊る。

アメリカの大統領選、スウェーデンやヨーロッパ各地で再び深刻化してきた新型コロナウイルス(「今後死者の数が増えるだろう」とステファン・ルベーン首相が昨日の記者会見で話す)、そしてフランスやオーストリアでのテロ事件。 どのメディアもこんなニュー…

言葉が作るフラットな社会・スウェーデンの「Du」の50年

社会のあり方は言葉によく現れる。日本ではよく「今年の流行語」が取り上げられるし、スウェーデンにもその名も『Språk(言語)』という雑誌があり、世相を反映する新語を年に一度発表している。 流行らない新語大賞 - swelog(2018年) スウェーデンの誰も知…

© Hiromi Blomberg 2023