エンタメ・文化・スポーツ
カンヌ映画祭で2度めのパルムドール賞を受賞したルーベン・エストルンドの「トライアングル・オブ・サッドネス」がこの間から上映されているのだが、第一線の映画批評家が、変わりつつある映画批評家の役割と批評家と映画プロデューサーの関係について書い…
元より補助金で運営されている国営、公営の劇場とは異なり、その収入のほとんどをチケット販売に頼っている民間の劇場は、この冬、パンデミック下でも経験しなかったレベルの危機に面している。客足がそろそそ戻るタイミングで起こったインフレで観客たちの…
今週のニュースレターはこちら。 本年スウェーデンの映画人、映画評論家が選んだスウェーデン歴代映画の第1位は、10年前のランキングと同じく、今回もこの作品! この映画のスウェーデン映画史、そして世界の映画史の中での地位は不動だが、この映画はイン…
スウェーデンでは来年辺りから景気が後退すると考えられているが、書籍は不況の中でも売れ続けるだろうと、スウェーデン出版社連合組合の代表が話している。これまでの歴史を振り返ってみても、書籍は経済や社会の不確実性からの影響を受けることが少なかっ…
「今後は社会の不公平について書くだけではなく、論客として世の中を変えたい。声を上げていきたい」と、昨夜テレビの文学番組で語っていたのは今年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー。 私は彼女の本は読んだことないが、これまでどんな作品を書い…
NATO加盟の件で。トルコはフィンランドはOKだけどスウェーデンはダメだ、といったそうで、これ、私と同じように先週の金曜日のスウェーデン公共放送のニュース風刺お笑い番組を観ていた人はやっぱりな! と思ったはずだ。 その一週間に起きた出来事を鋭い(…
スウェーデンオリンピック委員会(SOC)のペーテル・レイネボー会長が、アテネで行われた欧州オリンピック委員会での不愉快な体験を語っている。会議の冒頭、レイネボーが、スウェーデンも他の北欧諸国も、ロシアとベラルーシからの代表が会議に参加すること…
HBOの『チェルノブイリ』や、『ブレイキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』でもいくつかのエピソードを監督しているヨハン・レンクがインタビュー番組に出演していて、デヴィット・ボウイの「Black Star」が生まれた背景やまたボウイの最後のミュージ…
有名なところではニュージーランドやオーストラリア、日本でも東京都による海外公開作品のロケハン及びロケ撮影を行う事業者への助成金制度がなどが始まっている。 スウェーデンを舞台にしたスウェーデン映画なのに、ロケ費用がかさむためスウェーデンで撮影…
伸びる一方だったビジネスに陰りがみえてきて、月額のサブスクリプション料金だけではなく広告付きの低価格プランの提供がささやかれているネットフリックスなどの動画配信企業だが、スウェーデンでは映画の単品レンタル・購入市場が伸びていることをダーゲ…
今週は先日出かけていったエルムフルトにあるイケアミュージアムについて書きました。ここで私が遭遇したまったく新しいミュージアム体験とは? 私たちは12時くらいに到着してすぐにランチしてから展示を周り、そのあとフィーカしてから帰りの電車に乗ったの…
去年、アメリカや英国など英語圏の国で書籍の売上新記録に貢献したTiktokで出現したBooktokというハッシュタグ。 「TikTok」で本を売りまくるティーン姉妹の正体 | The New York Times | 東洋経済オンライン (そして日本でも) 「TikTok売れ」で30年前の実験的S…
以前ともかく毎日走り続けるRunstreak(ランストリーク)な人たちのことを書いたことがあるが、今日の走り続ける人たちは距離を走り続ける人である。 swelog.miraioffice.com この土曜日にブレーキング地方のカールスハムンで開催されたのは「バックヤードウ…
イングマール・ベリマンが唯一社会問題を扱おうとした映画で、また戦争の恐ろしさを戦闘や爆撃のシーンでも表現した彼の作品の中でも異色の『(ベルイマン監督の)恥』が、ウクライナの戦争の影響か、ルンドの映画館で上映されていたので観てきた ということ…
スウェーデンのミュージックアワードの一つ音楽出版協会賞(Musikförläggarna)が、今後は「加害者や犯罪者」には賞を授与しないと発表したことで、議論がわき上がっている。 芸術と、その創造者は区別されるべきか、優れた芸術を生み出した人が罪を犯したり…
9月の国選選挙を前に、さまざまな特集が組まれるようになってきたが、SVTが各政党により異なる文化政策で、各地方自治体にどのような変化が出てきているかを取材している。 取り上げる地方自治体は、中道右派の穏健党が最大政党で裕福な家庭の多いストックホ…
ポッドキャストは相変わらず人気だが、人々はお話系ポッドキャストに疲れてきたのか、雨や風や森の音、もしくは虫の声のようにも聞こえるホワイトノイズを延々と流し続けるジャンルのポッドキャストを聴く人が増えている。 (ホワイトノイズについてはこちら…
カンヌ国際映画祭で2度めのパルムドールを受賞したけれど、映画評論家からその価値に値しないなどの声が上がっているルーベン・オストルンドは、その批判をどう受け止めているのか、いくつかのスウェーデンのメディアが取材していた。 現在生後8ヶ月の息子…
アカデミー賞にノミネートされるほどの素晴らしい仕事をして、その後その映画がヒットしてテレビやストリーミングサービスで何度も上映されても、あなたの仕事がメイキャップアーティストならロイヤリティは1円も入ってこない。 2005年から2020年の間にスウ…
スウェーデンではポッドキャストの人気は常に高かったが、最新のStatistaの調査によると、世界で最もポッドキャストを聴いているのがスウェーデン人。 世界では2年後には5億人が定期的にポッドキャストを聴くようになり、6年後には950億ドルの産業規模になる…
今週はルイジアナ美術館です! コロナ禍を北欧随一の美術館はどう乗り切った? イースター休暇だった先週末に我が家から一番近い外国、デンマークのルイジアナ美術館へ行ってきた。美術館はどうコロナ禍をしのぎ、なにがどう変わったのかと、この北欧2国間…
Tik Tok、Instagram、Snapchat、Twitterなどのソーシャルメディアに、足の写真を集めたアカウントや、足の写真の売買についての広告が登場し、子どもたちが400クローナで自分の足の写真を売るように誘われる。そんな奇妙なことが起こっている。 取材に答えて…
昨日開催されたヨーテボリマラソンの予選で、自分の2組の双子、合わせて4人の子どもをベビーカーに載せて10キロ走ったのはハンナ・スコールブラットさん。 これまでギネスブックにはベビーカーに1人、2人、3人そして5人の子どもを乗せて10キロ走った記録が…
昨日発表されたスウェーデンの児童図書に関する統計によると、児童・青少年向けの書籍の出版が3年ぶりに増加し、また本で取り上げられているテーマとしては、自分の体を肯定するボディ・ポジティズムが目立った。 スウェーデン児童図書協会(Sbi)のまとめに…
先週のこの記事で予告編へのリンクを張った『HISTORJÁ』を観てきた。 swelog.miraioffice.com ”『HISTORJÁ 』というサーミ文化の歴史、そのスウェーデン政府との闘い、そして今は世界的な気候危機によっても脅かされるトナカイの牧畜の闘いに関するドキュメ…
以前スウェーデン軍の陸上運搬車が盗まれるという事件があった時、コメントを寄せていたディストピア・パラレルワールド小説作家のラーシュ・ヴィルデレング(Lars Wilderäng)と彼のブログを紹介したことがあったが、今回のロシアのウクライナ侵攻以降、そ…
目下、北から南に週替りでスポーツ休暇中のスウェーデン。来週はスウェーデンの南部の学校のスポーツ休暇の週で、私の周りでもスキー旅行にでかけるファミリーもちらほら(コロナか風邪か?、なんからの病気にかかっている家族もまだまだ多いが)。 そんな中…
ドラえもんのタケコプターはもちろん竹とんぼから命名されたものだと思うが、その実、素材はなんでできているのだろう? 今日ご紹介するのは、スウェーデンのスタートアップEker Bikesの竹でできた自転車、その名も「タケサイクル」(とかいって、この名前は…
毎年3月頭に行われる世界最大のクロスカントリー大会、ヴァーサロペット。 swelog.miraioffice.com 1万6千人もの参加者が90キロと駆け抜ける過酷なレースだが、この週末は初めてのレースから100年という記念の年を祝って、100年前のスキー装備とウェアで90キ…
「この映画が多くの内なる革命に火をつけ、今も私たちを覆うこのクソな家父長制をぶっ壊す勇気を与えることができれば」と、スピーチをしたのは、昨夜のスウェーデンの映画祭で、最優秀作品、監督、脚本を含む5部門で受賞した『クララ・ソラ(Clara Sola) …