swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

暮らしの輪郭

毎年500万回の停電

「スウェーデンの家庭では年に500万回の停電が発生している」という一文で始まるこの記事は、停電の多さを伝えるための記事ではないようで、突発的停電と計画的停電の違いを伝え、いずれにせよ、一般家庭でも2,3時間程度の停電には対応できるように準備し…

この冬の暗いクリスマスイリュミネーション

水曜日の夕方市民公園でトレーニングしていたら暗くなった際に、照明が間引きされて点灯されたことに気がついた。これってもしかして、この冬の電気代の節約ってやつの一貫なのか? ダーゲンス・ニュヘテルの記事によると、この冬、ストックホルムではクリス…

ペーボさん

昨日ノーベル生理学・医学賞を受賞したスヴァンテ・ペーボさんの笑顔がとびきり素敵だったので、ペーボさんの人となりを紹介した記事を読んだら、さらにすごい人であることがわかった。 ペーボさんは、スウェーデンにやってきた難民を母に婚外子として生まれ…

この冬の寒いミュージアム

この冬、スウェーデンに来る人は美術館や博物館は寒いと覚悟しておいたほうがいい。 スウェーデンミュージアム連合会がこの度まとめた報告書によると、目下の電気代の高騰で、多数のミュージアムがこの冬営業時間の短縮や開館日数を減らすことを検討している…

食洗機クッキングと危機の時代の調理法

高騰する電気代を節約するため食洗機を回すついでにその中でお料理しちゃえ、というのがトレンドになっているそうで、アフトンブラーデットの記者が食洗機クッキングに挑戦して、試食会を行っていた。 料理方法はいたって簡単で、お湯や洗剤がはいってこない…

投票して泣く

日曜日の朝8時に投票所に向かい、10分ほど列に並んで無事に投票を済ませた後、すぐそこの家まで歩いて戻る途中、ふいに涙がでてきて自分でも驚いた。 コロナやら、近くの国での戦争やら、極右政党の躍進とやらがあっても、こうして投票券を手に投票所に向か…

私たちはなぜ信じ、騙されてしまうのか?

今週ストックホルム大学で開催された知識の力に関する学際的コンフェランスで、ダニエル・シモンズとの共著『錯覚の科学』で有名なクリストファー・チャブリスによる「なぜ私たちは陰謀論などをいとも簡単に信じてしまうのか、そして騙されないためにはどう…

お酒の値上げ、この冬の電気料金

スウェーデンの国営種類販売店のシステムボラーゲットは毎年3月と9月に価格の改定を行っており、これまでは平均して1%程度の価格上昇があった。今年にはいってからも前回の3月の価格改定の際には、他の物価と違いお酒には目立った価格上昇はなかったが、こ…

トラマドール

トラマドールは中度から重度の急性および慢性の痛みに使用される鎮痛剤で、ヘロインやモルヒネと同系列の薬。副作用が他の薬よりも低いことから1995年以降スウェーデンでも処方薬として使用されている。 このトラマドールが「チル」するのに最適と、若者の間…

フィンランドへ留学 swelog weekend 73

今週はスウェーデンからフィンランドに留学する人が増えているという話です。 スウェーデンの学生のフィンランド留学への関心が高まっている。決め手はスウェーデン語で勉強できることに加え、教育水準の高さ、学生ローンの返済義務の軽減措置、住宅の見つけ…

サウナと節電

フィンランド人にサウナの入りかたに制限をつけるのは、日本人にお風呂の入り方に関する制限を出すのに近いものがあるのではと察するのだけれど、そんな大変な御触れがフィンランドで出た。 この10月からフィンランドで始まるのは「ちょっとだけ下げて」とい…

電気料金と薪不足

一瞬、このニュース冗談? フェイク?と思ったのが、この薪の話。冬がやってくるのはこれからだというのに、今年はもう薪が売り切れてしまったのだという。理由として考えられているのは、高騰する電気料金への対抗策として暖炉で薪を燃やす需要が高まってい…

気候温暖化で夏の北欧への観光客増加?

EUの気候サービス、コペルニクスによると、今年の7月は観測が開始されて以来3番めに暑い7月で、ヨーロッパ各地でも高温の記録が更新された。気候温暖化の影響でこのように暑くなってくると、南の方から北欧へ避暑客が押し寄せるのではないか? との取材をS…

出生率減少は一時的な傾向か?

最近「日本の少子化解消にはスウェーデンの事例が参考になる」と、1930年代以降のスウェーデンの政策と動きを簡潔にまとめた日経の記事を読んだが、昨日SVTがレポートしていたのは、今年に入ってスウェーデンの出生率が低下しているというもの。 www.nikkei.…

交通事故と自転車

スウェーデンは世界でも有数の道路交通上の安全が確保されている国で、過去25年間で重傷者を伴う交通事故件数は減り続けている。ただし重傷者を伴う自転車事故は過去10年間で増えた。 スウェーデン交通庁の分析によれば、これは自転車の利用が増えていること…

スカートをはいた男性バス運転手

日本の夏はとても暑いけど、こんな論争は聞いたことがないような? 夏の暑い時期に長ズボンの制服を着用を要請するのは労働環境上の問題があるとして、スコーネ地方のバスの運転手たちが抗議の声を上げている。公共交通を運営するスコーネトラフィケンではス…

高騰するレトロ食器の背後にアジアの顧客

探している本とDVDがあって、金曜日はマルメの大きめのセカンドハンドショップを6軒ほどはしごした。どのお店も賑わっていて、いろいろ見ているだけで楽しい。夏のこの時期、あちこちで開催されるロッピス(Loppis蚤の市)めぐりを楽しみにしている人も多い…

刈り込まれた芝生から草ボーボーな緑地管理へ

生物多様性に配慮して、スウェーデンのコミューンが管理する土地を刈り込まれた芝地から、背の高い芝や草地へと転換する例が目立ってきていることをSVTが伝えていた。このような変換は生物多様性を高めると同時に、管理費用の節約にも貢献する。 スウェーデ…

泳げない子は誰?

暑くなると水難事故が増えるので、今年もまたSVTが水泳教室を取材していた。 (去年の記事はこちら。パスポートの待ち時間問題はこの頃からだったのか......とれないパスポート、泳げない子ども - swelog ) 私は「スウェーデン人は服を着たまま水に落ちても…

キャッシュレスと民主主義

キャッシュレスの時代は終わった? Kantar Sifoが3250人に聞いた最新の調査では、現金を持ち歩いていると回答した人は全体の44%。2021年と比較して7%増加しており、これは昨年大手スーパーチェーンCoopがサイバー攻撃で閉鎖されたことや、さらにはウクライ…

スクロールしない夏 swelog weekend 65

今週は夏休みを前にして、心理学者がSNSの使い方に注意を促している記事を取り上げました。スクロールしない、とか書いたけど、swelogのニュースレターも長いので、スマホで読むには結構スクロールしてもらわないといけないことにレターを配信してから気が付…

SASのストライキのニュースに負けた(?)NATO加盟関連ニュース

スウェーデン語の「ヤハ!(Jaha!)」を、私は日本語のへえ!とかそうなの? とか、とにかくちょっと驚いた時に使ってしまうのだけど(使い方間違ってます)、今朝SVTのサイトにいったら、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟をトルコが承認したというニュ…

インフレと賃金 swelog weekend 64

ここ数ヶ月でスウェーデン経済はすっかり様変わりしてしまった。スウェーデンは30年来のインフレで食品の価格はこの1年でほぼ9%上昇した。住宅ローンに光熱費も直撃されているし、それにやっとコロナからの開放感でいっぱいなのに、レストランもホテルの価…

除草剤がエコな家庭菜園へ混入して作物を打撃

クロピラリドという除草剤が、有機肥料や有機植物栄養剤に混入し、これを使用した家庭菜園家たちのトマトやじゃがいも、豆類などに生育不良の被害を与えていることが昨日大きく報道されていた。 クロピラリド(スウェーデン語の記事ではpyralid)は穀物やナ…

変わるヘルシンキのヴァンター空港

ストックホルムのアーランダ空港の長蛇の列のことばかり書くのに疲れたのか、スウェーデンのメディアが北欧隣国の空港の状況を詳しく取り上げている。昨日はノルウェーのオスロ空港について書いている記事を紹介したが、今日はフィンランドのヘルシンキの空…

なぜストックホルムの空港は大行列でオスロの空港には行列はないのかの件と、この夏は電車の旅も大変そうという件

本格的な夏休みシーズンが始まり、これまでもニュースになっていたストックホルムのアーランダ空港でのチェックインやセキュリティチェックの待ち時間が、さらに大変状況になっているようだ。 待ち時間の長さは主にセキュリティチェックの職員不足によるもの…

国が独占で酒を売るとどれくらい売れるのか?

学校も終わり、気温も上がり、夏休みシーズン感の盛り上がるスウェーデン。 夏には酒量が増す人が増えるが、スヴェンスカダーグブラーデット(SvD)がスウェーデンで一番売れているお酒のリストを掲載していた。この国ではお酒は国営の種類販売店のシステムボ…

#swedengate ケチなスウェーデン人の真実

#swedengateというハッシュタグとスウェーデンの夕食に関する奇妙な習慣が世界中のSNSを騒がせている。 今回のことの始まりはアメリカの質問サイトAsk Redditで「誰かの家で、その家の文化的、宗教的な習慣のためにこれまでに遭遇した最も奇妙な体験はなんで…

103歳のスカイダイビング

昨日の午後、スウェーデンのルート・ラーションさんがパラシュートを使ったスカイダイビングの世界最高齢記録を更新した。ルートさんは103歳。 ルートさんは90歳になった頃に空を飛ぶことについてもっと知りたいと、気球やパラグダーなどに挑戦することを始…

増えるコーヒー泥棒

最近コーヒーはDrop Coffeeから買っていてスーパーでコーヒーの棚を覗くこともなかったので気がついてなかったけど、中央統計局の最新の調査によるとコーヒーの価格は30%近く値上がりしているそうで、それにつれてか、スーパーでのコーヒーの万引が増えてい…

© Hiromi Blomberg 2023