swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

環境・気候危機

すべてが始まった年。そしてスウェーデンのカビ問題

SVTの気候変動問題解説員エリカ・ビェーストロームは、「2023年はすべてが始まった年として記憶されるだろう」と話す。始まったのは、はっきりとは話されていなかったが、奈落へ落ちる8段階だろう。 swelog.miraioffice.com この夏の大規模洪水や森林火災、…

雇用主が従業員に通勤用電動アシスト自転車を提供

こちらは、夏休み前にみかけたニュースなのだけれど、書き忘れたりしないうちに書いておこう。今朝もエルドアンの新たなお小言とか、大バーゲンセール中のスウェーデン・クローナとか、とりあげようかと思うようなニュースがいくらでもでてくるし。 スウェー…

オッペンハイマー 2論、その2

さて、もうひとりの論者はダーゲンス・ニュヘテルの文化局長のビョーン・ヴィーマンで、彼はマンハッタン計画、トリニティ実験が「世界を破滅へと追い込むかもしれない」可能性がありながら進められた当時と、気候変動問題が危険な領域に入っているのに、そ…

気候変動懐疑論者とこの夏

雨が少なく暑い日が続いていた5月から6月にかけて出された長期予報では、この夏は猛暑となる見込みで、また2018年と同程度の山火事のリスクがあるとされていたが、実際には雨が多く水害も多い、涼しい日が続いた今年のスウェーデンの夏。 スウェーデンの気候…

北欧通信 112 スウェーデンのベスト・モビリティシティ

今週は、先週は先週のびっくりタイトルとはうって変わって、堅調な感じのこちらの話題。 ふざけた話から真面目なものまで、幅広くお届けしております☺︎ わはは。よろしく! 2030年の気候目標を達成するために各都市が果たすべき役割は大きい。インフラを整備…

グレタとパティ・スミス

グレタ・トゥーンベリが高校を卒業したので、気候危機のための「学校ストライキ」からの卒業、というニュース、もう皆さんも既に目にしたかも。最後の学校ストライキとなった昨日のFridays for Futureデモに、グレタに敬意を表すためにパティ・スミスが現場…

夏フェスと駐車場と二酸化炭素排出量

イギリスで発表された新しい研究では、夏の音楽フェスティバル会場で提供される駐車場のスペースを削減することで、どれくらい二酸化炭素排出量を削減できるかを調べた。 マンチェスター大学ティンダルセンターの研究者は「車の使用、炭素、フェスティバル」…

本当に危険な気候テロリストは誰か?

昨日ロレーンの記事を紹介した時に、彼女のスウェーデンでの予選時にテレビ生中継に乱入した気候アクティビストのことに触れたが、同じアクティビストたちが先週また違うテレビの生中継番組に乱入していた話を取り上げる機会を逸していた。 swelog.miraioffi…

気候と地球の「正義限界点」はとうに超えている

水曜日にNatureに掲載された、この新しい研究結果に世界でどれだけの注目が集まるだろうか? ヨハン・ロックストロームを始めとする世界から50人の科学者が3年掛けてまとめたこのレポートは、今のところは豊かな北半球に住む多くの人にはあまり影響はないが…

【スウェーデン流・気候変動に対するサステナブルアクション11】ペットボトル回収から環境に配慮したホテルステイまで

いつもコラムを連載させていただいているELLE ACTIVE! For SDGsで、スウェーデンでのサステナブルアクション紹介しています。どうぞよろしくー。 スウェーデン在住のコラムニスト・ブロムベリひろみさんが、現地で暮らし、環境認定マーク付きの電車で旅をし…

国を訴えて、王様から表彰される

この度、スウェーデン国王から勇気、思考、行動の伴った若者へ送られるKompassrosen賞で表彰された19歳のアンドレアス・マグナソンは、気候アクティビスト。この賞は国王の財団「Ungt Legarskap(ヤング・リーダーシップ)」から毎年5人の目覚ましい活動を行…

今、すでに、もう

早ければ、もうすでにこの夏、世界はパリ協定の1.5度の温暖目標を超えてしまう可能性があることをSVTの気候変動問題解説員、エリカ・ビェーストロームが伝えている。私がこのブログを書き始めるきっかけにもなり、スウェーデンで700人が暑さを要因とするスト…

北欧通信 107 あなたの家具の二酸化炭素排出量

今週のニュースレターではマルメで目下開催中の展示会について取り上げています。 マルメのフォルムデサインセンター(Form/Design Center)で、素材と二酸化炭素排出量に関するミニ展示会が開催中だ。昔ながらの木でできた椅子と金属パイプとレザーを使った…

北欧通信 105 アースデイ / ストックホルムの自転車事情

昨日、4月22日はアースデイだった。それに合わせて参加したエルのアースデイ企画の紹介と、今週はストックホルムへも行ったので、そこで見た最新自転車状況のレポートも合わせてどうぞ。 swelog.theletter.jp ***** 「北欧通信」はスウェーデンの気になるニ…

気候政策をリードするEU。遅れるスウェーデンにロックストロームが警告

昨日は私のヒーローが朝のテレビニュースに出ていた。 タイム誌の2023年の「世界で最も影響力のある100人」のうちの一人としても選ばれた、環境科学研究者のヨハン・ロックストロームは、スウェーデンはとても危険な状態にあると警告する。 time.com 彼は、E…

ヨーロッパで気温が50度を超える日もそんなに遠くない

EUの環境モニタリングプログラム「コペルニクス」がまとめたところによると、2022年の夏は数多くの気象記録が更新され、1979年にコペルニクスの測定が始まって以来2番めに暑い夏を記録した。ヨーロッパの気温は世界平均の2倍の速さで上昇し続けており、工…

歴史的なEUの気候変動対策関連案が可決されたのだけれども

4月18日(火)に欧州議会で、気候変動対策関連法案が可決された。これが何を意味するのか、SVTの気候変動問題解説員が説明していたので紹介したい。 jp.reuters.com 今回、欧州議会が承認したのは、2030年までに二酸化炭素排出量を2005年比で62%削減すると…

国会で続く抗議の叫び声

国会の聴衆席から抗議の声がこだまするとの記事タイトルに、どの議論の時に誰が何を叫んだのか、と内容を確認したら、はい、あれですね、みなさん覚えているだろうか、2月末のミュージックコンテストのテレビ生中継の際に「湿地帯を回復せよ!」との横断幕…

なんのためにレジ袋税を廃止するのだろう

税制が変わるのは修繕費についてだけではなかった。現行のレジ袋への課税はこの年末から廃止されるかもしれない。電気自動車への補助金の停止もそうだし、どうしてこれまで進めてきたポジティブな政策をいちいち変更しなければいけないのか。 swelog.thelett…

オランダの自転車野郎たちが阻止するプライベートジェット

オランダ・アムステルダムのスキポール空港が、深夜0時以降の航空機の離着陸を禁止して年間1万便程度のフライトを削減し、さらにはプライベートジェット機や小型のビジネス用航空機も禁止する措置を2025年から2026年にかけて実施する計画を発表したことは、…

修理・修繕に関する消費税率を今引き上げるなんて、政府はアホなのか?

H&Mなどスウェーデンのファスト系ファッション企業が揃って、スウェーデン政府が行った今回の税率変更を批判している。4月1日から6%だった修理・修繕費の消費税を12%にする税改革が行われていた。見逃していたけど昨年10月30日にはこんな記事がでていた。…

政府の気候政策にダメ出しをした気候政策諮問委員会とは

スウェーデンにはある時期に「権力は腐敗する、都合のいいようにごまかそうとする」ということを徹底的に考えた人たちがいて、それを防ぐためのさまざまな仕組みを作ったことが、今のスウェーデンの透明性の高い社会を支えているとつくづく思う。 スウェーデ…

粉末ビールで減らす二酸化炭素排出量

今日は北欧ですらないドイツからのニュースなのだけど、へぇーと思ったので書かせて欲しい。 ドイツ東部にある醸造所がビールを輸出する際の二酸化炭素排出量を減らすため、粉末タイプのビールを開発した。修道院ビール会社Klosterbrauerei Neuzelleは、この…

IPCC報告書と、私にもできる一番有効な気候危機対策【追記あり】

スウェーデン最大の日刊紙ダーゲンス・ニュヘテルの今日の朝刊第一面はこんな感じだ。 「私たちはおそらく、歴史上最も重要な岐路に立っている」 DN:s förstasida tisdag. pic.twitter.com/ODqdMYvFQi — Peter Wolodarski (@pwolodarski) 2023年3月20日 国連…

フィンランドのNATO加盟批准手続きとスウェーデンの最悪のシナリオ

トルコはフィンランドのNATO加盟申請を批准する手続きを始めると発表したが、スウェーデンはテロ対策の分野で必要な措置をとっていないとして、スウェーデンの申請には応じないとした。スウェーデンのNATO申請が数ヶ月から最大で1年ほど遅れることになれば…

北欧通信 99 売れなくなった電気自動車

今週もニュースレター配信しています。どうぞよろしく♡ swelog.theletter.jp ***** 「北欧通信」はスウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるswelogが、週に一回お届けするニュースレターです。その一週間のブログ記事を、レターでしか読めない最新記事と…

北欧通信 98 科学への信頼を貶める政治家たち

スウェーデン全大学の環境・気候問題の関係者を対象としたアンケート調査では、半数以上が「科学に対する信頼が低下していると感じる」と答え、環境・気候科学の今後に懸念があると回答した人は85%に達し、そして4分の1以上の人が「自分の研究や発言を理由…

気が滅入るニュースばかり、でも「市民的不服従」に再びパワーをもらう

土曜日の早朝、SVTのニュースサイトを覗いてみると、トップニュースは50代の男性の射殺事件、3つ目にはマルメで銃撃事件があり10代の若者4人が負傷したというニュース。そしてそれらに挟まれて2つ目に掲載されているのは、英国で30年ぶりに炭鉱が開設される…

科学者だからこそ、アクティビストに

昨日の記事で取り上げたユーロヴィションソングコンテストの生中継ステージに侵入した気候アクティビストは、ルンド大学の博士課程で研究するディビットさんで、彼がSVTの取材に応じていた。 土曜日の事件の後、会場から追放されたディビットさんに関しては…

気候変動アクティビストが人気のテレビ音楽生中継番組に侵入

土曜日の朝にも気候変動アクティビストのポンテュスさんのことを書いたばかりだけど、週末に行われたユーロヴィジョンソングコンテストの予選でも、気候変動アクティビストによる大胆な行動があった。スウェーデンにいる人は、この話みんなもう知っていると…

© Hiromi Blomberg 2023