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デジタル・ミニマリストなクリスマスプレゼント

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(画像: Anders Wiklund/TT)

この時期に発表される「今年のクリスマスプレゼント」。時代の空気を映し出すトレンドが選ばれ、スウェーデン各地、各職場のフィーカ(お茶の時間)で話題になる。

そして今年を象徴するクリスマスプレゼントとして選ばれたのが「スマホ隔離ボックス」。今年は、スマホ利用による心身へのネガティブな側面に初めて大きくスポットがあたった年だった。

運動の心身そして脳に与える好影響について書かれた本で、スウェーデンだけで50万部売れた『一流の頭脳(日本語版)』の著者で精神科医のアンデシュ・ハンセン。彼の最新作『Skärmhjärnan ( 仮訳「スマホ脳」)』が話題をさらい、夏の人気ラジオ企画ではハンセンがこの問題について語った番組は200万回以上再生され、9月にはスウェーデンの公共テレビがハンセンを案内役とした4回に渡る脳に関するテレビシリーズ番組まで放映した。このテレビ番組の焦点もスマホやSNSで私達の脳に何が起こっているのに関する最新科学情報のわかりやすい提示だった。

(私が『スマホ脳』を読んだ時のまとめです。スマホ脳とデジタル・ディシプリン|ブロムベリひろみ|note

さて、ここからがまたスウェーデンらしいのだが、プレセントの発表とかいってる割には商売っ気がない。

「スマホ隔離ボックス」とは、その考え方や態度を象徴するものであればなんでもよく、靴の空き箱や、机の引き出しでもOK、というのが「今年のクリスマス・プレゼント」選定母体であるHUIからの説明だ。

例えば、国会の議席から頻繁にツイッターすることで有名だった元自由党党首は今夏引退した際に左翼党党首から木でできた手作りの「スマホ隔離ボックス」をプレゼントされており、その贈呈式はビデオでも見ることができる。要はスマホから離れる時間を作るという意識が大切なのだ。

一方日本では、、、意識はまだまだのようだけれどちょっと検索しただけで、既に「隔離」や「封印」グッズがたくさんあるようだ。さらに日本でもこれから「デジタル・ミニマリスト」はますます増えるはず。商売っ気のある方、今からもっと大々的に「スマホ隔離ボックス」売るのはどうでしょう?

勉強や仕事中ついスマホいじって時間を浪費してしまう人にはこういう箱があるよ「これめっちゃええやん」と思ったら! - Togetter

受験生、スマホに負けるな! スマホ封印アプリ&アイテム (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

 それにつけても、スウェーデンのこの「今年のクリスマス・プレゼント」。2016年くらいまでは「お掃除ロボット」とか「VRメガネ」とかだったのに、2017年以降は「電動自転車」「リサイクル衣料」ときて、そして今年は「スマホ隔離ボックス」と、明らかに流れが変わって来ているようだ。

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「スマホ隔離ボックス」2019年のクリスマス・プレゼントはスクリーンタイムが焦点に

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