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半導体不足で自動車業界の数千人が失業?

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半導体は世界的な供給不足に陥っているが、この状況が長引けばスウェーデンでは何千人もの雇用に影響を与えると、自動車関連業界団体の関係者が警告を発している。

SVTの取材に答えていたのは業界団体Fordonskomponentgruppen代表のフレドリック・シダールさん。彼は、今、半導体不足により、3〜4週間の稼働ののち1週間工場の稼働を停めないといけない状況を、1万人が職を失った2008年の金融危機の状況と比較する。

工場の稼働率が悪化しているだけでなく、パンデミック下では鉄やプラスティックといった原材料や運賃も値上がりしており、この状態が続けば業績に多大な影響を与え、人々が職を失うと、続ける。

半導体は主に台湾と韓国で生産されてきたが、今回の供給不足を受け、アメリカやヨーロッパでは今、基幹産業の主要部品を確保するために生産拠点を自国に戻す必要があるという声が高まっている。スウェーデンでも「製造業」はどんどんなくなってきた。(今、北の果てにバッテリー工場を建設しているのは大きな変化だが)

ただし、半導体製造のような高度な工場を作るには、時間がかかる。今回の供給不足はこの先も1、2年という長い期間にわたり解消されないだろうとみられている。

この状況を、自動車メーカーの業績が! という角度から報じるだけでなく、雇用が危ないということもすぐに報道されるのは、なんというか、ちょっと社会が健全な感じがするのは私だけだろうか?

半導体不足が自動車産業に影響・数千人の雇用が脅かされている(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023