「今の政治がやっていることは遅すぎるし、十分ではない」と右派、左派の著名論客が、気候危機の前でイデオロギーを超えて手を組む「気候同盟」を設立し、今期の国会に要求を突きつけた。
気候同盟の発起人として名を連ねるのは、元左党、女性党党首のグッドルン・シューマンや右派のキリスト教民主党の議員として活躍したアンデシュ・ヴィークマンなど。
彼らはスウェーデンは、政権担当政党の一つに環境党がありながら、これまで掲げてきた気候政策の目標を実際には達成していないことに業を煮やす。(グレタがいつも非難しているやつだ。「口先だけでなにもしない、Bla,bla,bla-」)。今の政治や経済のやり方を少しずつ改善していくだけでは、気候危機に対処することはまったくできないと訴える。
気候同盟が掲げるのは15の気候達成目標。
優先順位の第一位は温室効果ガスの排出量の削減で、2035年から2040年の間にスウェーデンでネット・ゼロ・エミッションを達成することを目標とする。そのためには温室効果ガスの排出量は毎年10%以上削減していく必要がある。
また、社会の電化を加速させるとこと、風力発電による税収が自治体の財源となるようにすること、企業の短期的な利益はサステイナブルな投資からの利益と比べて重く課税することなどを目指している。
お金の流れを変えないと気候問題は解決しないというのは、私も大いに頷くところだ。金儲けだけを目的として出た利益には大きな税を課し、化石燃料開発に流れる投資マネーを制限するような大胆な政策の変更が必要だと私も思う。
このような主張が、スウェーデン最強の左翼といえるグッドルン・シューマンの口から出てくるのは驚かないが、これまでは産業界寄りだと考えられていたアンデシュ・ヴィークマンのような右からの論客が加わって、その緊急性を訴えているのが興味深い。実際、ここ数年のヴィークマンの主張は非常に具体的で注目に値する。
気候同盟は15の目標を、来年の選挙にむけてこれからの政権が具体的な政策として実現していくことを目指している。各目標は一読に値すると思うので、週末のニュースレターででも取り上げようと思います。乞うご期待。