今日はデンマークの話です。
昨年新型コロナウイルスの変異種がミンクから人間に広がったことを受けて、デンマーク政府は国内の1500万頭のミンクをすべて殺処分することを決定した。デンマークはミンクの毛皮の世界一の産地だ。
その後殺処分される必要のなかったミンクまで対象となっていたことがわかり、またこの指示はデンマークの憲法に反していることも明らかになり、農業担当大臣が引責辞任した。
新型コロナ: デンマーク農相が引責辞任 ミンク殺処分巡り: 日本経済新聞
つい先日スウェーデンのコロナ対策検証委員会のことを書いたが、今デンマークではミンク事件を監査する委員会が組織され、政府や関係省庁にヒアリングを行っている。
その中でデンマークのメッテ・フレデリクセン首相がこの頃の携帯電話のテキストメッセージを削除していたことから、違法と知りながら殺処分を進めようとした証拠を隠滅しようとしたのではないか、という疑いが持たれ、フレデリクセン首相に向けた厳しい声が上がっている、というのが今日のニュースだ。
フレデリクセン首相は30日後に自動にメッセージが削除されるのは初期設定で、セキュリティのためという省庁の責任者のアドバイスに従ったものだと説明し、削除されたメッセージが復元され、検証委員会の調査の材料として役に立つことを自身も求めている。
公文書やメールがウヤムヤにされたという話は聞かないが、テキストメッセージの取り扱いに関してはしばらく前にもスウェーデンのエリクソン関連の事件で取り上げた記憶がある。透明性が高いとされる北欧諸国でも、権力周りの透明性は怪しくなった時には激しく激しく追求されるようです。