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価値あるウクライナの自然林からの木材がIKEAの家具に

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土曜日の朝は、スウェーデン最大のニュースサイトでタブロイド紙のアフトンブラーデットからニュースをひとつ選ぼうと決めてから、週末の朝も早起きがちょっと楽しみに。普段は読まないゴシップやスポーツの話題が満載。今週は「人気の各種包丁の商品評価」が有料記事で掲載されていて、ちょっとこちらも気になる。

そんな中でも、昨日のノーベル賞祝賀会場に到着したスウェーデン国王が「めっちゃ寒いやんけ!Svinkallt!」(”やんけ”は私の妄想翻訳です😅 )と言ったことを書こうか、と思ったら、気合の入ったIKEA関連のスクープ記事がでていたので、これは取り上げないわけにはいかないな。

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アフトンブラーデットが明らかにしたのは、IKEAがウクライナからの出どころの怪しい木材を使用しているというもの。2018年にEUがまとめた報告書はウクライナで伐採される木材のうち、約30%が違法な形で行われていると指摘している。

2020年6月には、イギリスの環境保護団体EarthsightがIKEAのウクライナの下請け業者の不正を報告し、TerjeやIngolfといった人気の椅子に違法木材が使われていると指摘したが、IKEAはそれを否定していた。

今回のアフトンブラーデットのスクープ記事は、違法だが捕まるような危険もないやり方で、ウクライナのIKEAの下請け業者が大量の木材を伐採しているとの情報を得て、同紙の記者2名がウクライナの森に侵入して明らかにしたもの。

このスクープの特別サイトは、深い森の美しい写真が効果的に使われており、一見の価値ありだ。記事は無料で公開されている。

www.aftonbladet.se

生物学者や林業の専門家と一緒に行った現地取材で明らかになったのは、問題がなさそうにみえる健康な木を、病気や損傷を口実に切り倒す、保護伐採と呼ばれるやり方だった。IKEAのこのウクライナの下請け業者は、249の異なる現場で保護伐採を予定している。

アフトンブラーデットの記者は、その他にも、ウクライナの森林法に反して経済的な理由で健康で切り倒すべきではない木が伐採されていることや、IKEAの下請け業者の作業員が法律に反してヘルメットや防護服もきちんとつけない状態で働いていることも明らかにした。

IKEAはこの記事に対し取材には応じずに、書面で「IKEAでは違法な木材は使用していないこと、またサプライチェーンで問題が発生するリスクを減らすために積極的に取り組んでいること」と伝えるに留まった。

ウクライナとルーマニアの国境沿いの、これまで手つかずだったカルパチア山脈の深い森は「ヨーロッパの肺」とも呼ばれているそう。先日のオーガニッククリスマスツリー詐欺の話にも繋がるようなこのニュース。地球のサステイナビリティを考えれば、お手軽に安価に使えるような木や木材なんて、もう世界のどこにもないということだろう。

 

価値ある自然林がIKEAの家具になるために伐採されている(アフトンブラーデット)

IKEAの回答「違法な木材は使っていません」(アフトンブラーデット)

ノーベル賞祝賀会に駆け込む国王「めっちゃ寒い」(アフトンブラーデット)

© Hiromi Blomberg 2021