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反スウェーデンキャンペーン

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スウェーデン行政機関が、子どもを親から引き離し、誘拐しているという、悪意を持った間違った情報がネット上で流され、スウェーデンに対する暴力的行為やテロの脅しが高まっている。

昨年末から始まったこのニセ情報でスウェーデンに対する敵意を煽っているのは、暴力的なイスラム教組織で、1月19日に数百万のフォロワーを持つTwitterアカウントからのツイートで攻撃が勢いを増した。標的にされているのは、スウェーデンのコミューンとソーシャルサービス。これらのスウェーデンの当局が、イスラム教徒の子どもを親から引き離し、誘拐していると訴えている。

スウェーデンの行政によって親元から誘拐されたと泣き叫ぶ子どもたちのニセの映像が拡散され、家庭の事情により時にはソーシャルサービスが子どもを親から引き離して保護したり、警察が介入せざるを得ないというようなケースを使って、スウェーデンはファシスト国家だと訴える。

直近の1週間で、この反スウェーデンキャンペーンは勢いを増しており、スウェーデンへの暴力の行使やテロを呼びかける脅迫が増えた。スウェーデンの心理防衛庁(こんな省庁があったのか!)は、内容の詳細は明らかにしていないものの、この反スウェーデンキャンペーンに対抗する処置をとっている。このキャンペーンの背後にいる組織はスウェーデンの行政のとる措置を熟知しており、巧妙にそれを利用してスウェーデンへの悪意を煽っている。

この反スウェーデンキャンペーンで、暴力やテロの危険性が高まると同時に、行政のソーシャルサービスが本当に必要とする人たちへ、サービスが届かなくなることを危ぶむ声もある。

スウェーデンはイスラムの子どもを誘拐するファシスト国家なのだろうか? どこの国よりもイスラム圏からの多くの難民を受け入れてきたスウェーデンが標的となり、さらには国内にいるイスラム教の人々からも嫌煙されるという、この皮肉にモヤモヤする。子どもには子どもの権利があると認めたり、子どもは家庭だけではなく社会全体で育てるというスウェーデンの考え方は、異なる文化からくるとまったく相容れないものとなる。

私でさえモヤモヤするくらいなのだから、こんなことが続くと(昨日は国会議事堂前でスウェーデンの社会サービスに対する外国人家庭の子どもたちの扱いに関するデモもあった)今後ますますスウェーデン民主党は選挙に向けて勢いづいていきそうなのも嫌な感じだ。

 

スウェーデン行政への悪意ある攻撃。イスラム教組織がテロ行為を呼びかける(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022