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人の外見と警察の尋問

f:id:hiromi_blomberg:20220216133108j:plainスウェーデンのマルメに住んで16年経ち、デンマークで会社を経営するトーマス・ジェームス・トムセンさんは、エーレスンド大橋を車で通勤する。

長らくこの橋の上は自由に行き来できていたが、最近はスウェーデンに入国する際は必ず身分証明書の提示しなければならず、警察や税関が望めば、さらなる身体検査や、車内チェックなど、時には30分以上もかかる徹底的な検問に付き合わなければならない。

過去18ヶ月間にトーマスさんが受けたこうした彼と彼の車に対する徹底的なチェックは150回に及び、トーマスさんはこれは彼の外見によるもので、黒人である故に人種差別を受けているものと確信している。

警察は「ランダムにチェックしている」というが、黒人であれば「ランダムが通常」の状態に常に巻き込まれるとトーマスさんは話す。しかし2019年以前に、エーレスンド大橋の上でのID検査が強化される前は、これほどひどいことはなく、マルメでスウェーデンに警察に止められたことは長く住んでいて期間中2,3回しかなかったともいう。

エーレスンド大橋は2021年では一日平均13,131台の車が通過し、その約半数がスウェーデンに入国する。税関はこのうち一日約27件程度の強化検問を行ったが、警察は強化検問の回数は把握していないと話す。

度重なる検問にうんざりしたトーマスさんは、車の横に立たされて車内捜索をされる様子を何度もスマホで撮影し、この動画はニュースになり、その後トーマスさんと国境警察の責任者は外見による人種差別撤廃について話し合うことになった。

国境警察のベリグレン責任者はマルメのトーマスさんのアパートを訪れ1時間ほど話し合い、トーマスさんは「とてもよい話し合いで、多くの疑問に答えてもらった。警察が差別的な考えをもつ組織だと思ったことはない」とコメントした。警察側は強化チェックする対象を選出際の基準については常に改善を行っており、今後も継続して取り組んでいる」と説明する。

トーマスさんが国境で屈辱的な尋問を受けることはこれからは減りそうだが、人種差別問題に取り組むストックホルムの団体Civil Rights Defendersと、弁護士のアイダ・サマニさんは、警察の仕事にはさらなる透明性が必要だと考えている。

警察が効率的に仕事を遂行しようとすると、そこには常に人種プロファイリングが起こり得ること、そして、警察官が意識、無意識を問わず人種差別的な考え方を持っている可能性があり、それが強化検問の際などの判断に影響を及ぼす可能性についてもっと自覚的になり、オープンにするべきだという。

まったくレベルは違うが、外見によりなんらかの人種プロファイリングにあったと思ったことは私もある。スウェーデンに引越してきた当時、よほどニコニコしながら街を歩いていたのか、よく人に道を訊かれた。その後道を訊かれることはなくなったので、日本にいた時の外見上のスキや優しさがなくなったのかなぁ、とも考えたこともあったが、これ単純にグーグル・マップが出現した結果ですかね!

エーレスンド大橋を通勤するトーマス「もう150回も”無作為に”検問で止められた」(SVT)

人種差別撤廃の論争をうけてートーマスと国境警察責任者が話し合う(SVT)

弁護士「警察による差別的尋問には大きな問題がある」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022