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想定外のリスク、想定内のリスク・NATO加盟へのトルコの反対と、サイバー攻撃共同演習

「これどうなるんだろう?」と何かについて心配していたら、それとは違う方向から別の問題がやってるくることはよくあるが、昨日のトルコのエルドアン大統領のフィンランドとスウェーデンのNATO加盟に難色を示す発言もそんなうちのひとつ。

トルコ、フィンランド・スウェーデンのNATO加盟に難色: 日本経済新聞

昨日の夜のニュース解説では、エルドアン大統領はこの件に乗じて自国の立ち位置を優位にしたいのだろうということで、トルコにはなにかよい条件を出すことが必要となるかもしれないなどの議論が展開されていた。

またフィンランドとスウェーデンは矢継ぎ早にアメリカやイギリス、ドイツなどと行ききして話し合いを持ったのに(マリン首相は電光石火で日本にも行っていたのに)、なぜ私のところに挨拶にこない! とエルドアンのプライドが傷つけられただろうことへの言及もされていた。大きな変化の際には、それに対して意外な形で引き起こされるリスクの範囲もとても大きい。

エルドアン大統領の今回の発言はスウェーデンも想定していなかったようだが、スウェーデンへのサイバー攻撃の脅威が高まることはこれまでもずっと指摘されてきたし、今回このリスクがまた大幅に高まったことは明らかだ。

この前の週末には、NATOと同じ考え方を持つ世界の24カ国が参加した世界最大規模の「Locked Sheilds」と名付けられたサイバー攻撃防衛演習が行われた。演習は競技形式で行われており、昨年はスウェーデンチームが優勝。今年はノルウェーとフィンランドと一緒に参加したスウェーデン防衛軍のチームは4位となったほか、スウェーデンからはエネルギー企業のサイバー攻撃対応チームも参加した。

参加者の1人は、通常では起こらないような広範囲での攻撃を繰り返し受け続けるこの演習は非常に有益で、また自分たちのシステムだけではなく、ここでは他の人たちのシステムをどうやって防御するかを学んだり、非常に高いストレスにさらされた状況下で他の人と協力することを学べるのも有意義だと話す。

今回の24カ国も参加するサイバー防衛センターCCDCOE(日本も参加しているようだ)は、今年は特に決済システムを守る演習に注力したと話しており、うーん、これはやはり近いうちにまた、去年の夏のCoopの時と同じ様な混乱が起こるということなのだとうか?(サイバー攻撃で閉鎖したCoopの事件は、ほんの始まり - swelog ここだけのスウェーデンのニュース)

備えあれば憂いなしなのだろうけれど、備えきれるのかどうか、それが問題ですね。

外交問題研究者「エルドアンからYESを勝ち取るには飴玉が必要になるだろう」(SVT)

スウェーデンはNATO加盟国との大規模なサイバー攻撃演習に参加「有益な経験」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022