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新聞社業界団体が公共テレビをEUに訴えると脅す

スウェーデンの新聞社の業界団体が公共放送SVTを欧州委員会に訴えると脅している。

私が今まさに、この記事を書くために参照しているSVTニュースのサイトの各記事のテキストが長すぎて、競合する新聞社が打撃を受けており、これが改善されないのなら欧州委員会に訴えるという。

業界団体のTU(Tidningsutgivarna)は以前からSVTのニュースサイトの記事が長すぎると考えていたが、近年、新聞社は広告収入が激減しており、またネット上で有料のサブスクリプションで記事を提供する形が主流になってきて、苦戦しているところがほとんどだ。

そして国が出資するSVTのサイト、SVT.se上で無料でニュースを「読む」ことができる状態が、新聞系ニュースメディアのビジネス機会を著しく阻害しており、これがEUの国家による補助規則に反していると考えるので、EUに訴えるというのがTUの論点。

さらにTUは2026年から2033年までの新しい放送免許規制に、SVTがネット上でニュースをテキストで提供できる状態を規制するよう働きかけていく予定だ。

フィンランドでは既に、TUに相当する業界団体がフィンランドの公共テレビYLEをEUに訴えており、YLEは今後テキストではなく、ネット上でも動画を中心としたニュースを提供していくことになっている。TUが求めているのはスウェーデンにおいても同様の変化が起こることだ。

TUは望ましい形として、現在のSR(スウェーデンラジオ)のサイトのように、一つの記事には放送された音声ファイルがアップされていて、他にはそのニュースの内容を要約した2,3の短いテキストがついている形が、SVTにもふさわしいと考えている。

SVTのCEOハンナ・シェーネは、ネット上での公的報道機関と民間報道機関は対立するものではなく、SVTが念入りな調査を行った内容を、強力でアクセスしやすい形で提供することはとても大切だと話している。またそうすることで、ニュースへの関心が高まり、それがひいてはすべての報道関係者に利益をもたらすと強調する。

さらに彼女の説明によると、SVTはYLEよりも動画の提供が現状でも多くなっており、これは動画を好む若い世代に向けた提供方法を既に取り入れていることの現れだともいう。

私がこうしてSVTのサイトを参照して記事を書いていると「解説は動画で確認されたし」となっていることも多く、テキストではすべてが説明されていないことに気づいていた。裏にはこういう理由があったのか。

それにSVTのサイトに記載されている内容だけでは記事にするには説明が足りないことも多くて、私の場合は他の有料ニュースサイトでも内容を確認することになる。

自分の実感としては、まさにSVTのCEOの説明通りの状態になっているし、私はいい報道にはお金を払う価値があると考えて複数の新聞社系ニュースサイトを購読しているが、同時に誰もが無料で最低限の信頼できる情報を入手できることはとても大切だと考えている。

どうか、SVTのサイトの今の形が変わりませんように!

新聞社業界団体はSVTを欧州委員会に訴えると脅す(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022