9月の国政選挙では、過去最多の国外在住スウェーデン人が投票することになりそうだとSVTが伝えている。今国外に住むスウェーデンの有権者は17万5000人で、2014年の13万6000人、2018年の14万9000人と比べてもかなり増えている。スウェーデンの人口は日本の約12分の1なので、日本に当てはめて考えると約210万人くらいの感覚だ。
4年前の選挙と同じく今回の選挙でも左派、右派間は僅差で決着しそうなので、国外在住者がどれくらい投票するかで、結果に大きな差をもたらす可能性がある。17万5000人といえば、スウェーデンでは5番目に大きな自治体に相当するが、海外在住者の投票率はいつも50%程度で、全体の投票結果に比較するとかなり低い。2018年の選挙の全体の投票率は87,2%だった。
ヨーテボリ大学の研究者は、国外在住者たちの投票率が低い要因について、国内政治にあまり関心がない、大使館まででかけるのが手間であることなどを挙げている。2014年に東京で住んでいた時に、夫がパスポートだけ持って、スウェーデン大使館まで気軽にでかけていってサクッと投票していたことを覚えているが、確かにそれは大使館の近くに住んでいたからかな。
歴史的に見てスウェーデンの国外在住者は右よりの傾向があり、国内の投票者と比べて穏健党が強く社会民主党は弱い。こちらで解説していた政治学者は、右派政党は積極的に国外在住者に政策をアピールし、投票を呼びかけるなどもっとフォーカスした方がいいと話していた。
さて、今回の日本の参院選、去年の衆議院選挙の時のように、せっかく投票したのに私の票が日本にちゃんと届いたのかどうかはっきりしないような扱いになるのはいやだったので、私は在外投票が開始された翌日の6月24日の金曜日の早朝に、ピュッとコペンハーゲンまで行って投票してきた。
この日はスウェーデンは祝日でうちから一番近い日本大使館のあるデンマークは平日だったので、空いているのではと思ったからだが、狙い通り朝一の時間、来ていたのは私だけでゆっくり投票できた。
大使館での投票はとても丁重だが、セキュリティチェックから投票用紙の請求用紙への記入、そして投票用紙を2重の封筒にいれるチマチマした作業まで、全体でとても時間がかかる。日本の大使館は海外在住者がみんな投票に来たら対応できないのではないかと思う。
昨年、日本の海外在住者の投票権は蔑ろにされていると声を挙げた人が何人もいたから、今年は投票できる期間にも去年と比べると余裕があってちょっとマシになったように思うけど(個人の感想です😉)、この先、海外在住者の投票が政権闘争の鍵を握る!などと日本の選挙でも注目されたりしたらおもしろいのだけど、しかし現実には、今も日本の海外在住者の投票には在外選挙人証が必要など、ハードルが高すぎる。
海外在住の日本人数は世界で約130万人、そのうち約100万人が選挙権を持っているが投票率は2%だという。なぜなら、海外在住者が投票するためのプロセスが煩雑かつ時間も費用もかかるためだ。投票したくても、そのためのハードルが非常に高い。海外在住日本人を対象とした「ネット選挙」実現のための署名活動が進行中
↑、これね、本当にどうにかしてください!