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高騰するレトロ食器の背後にアジアの顧客

探している本とDVDがあって、金曜日はマルメの大きめのセカンドハンドショップを6軒ほどはしごした。どのお店も賑わっていて、いろいろ見ているだけで楽しい。夏のこの時期、あちこちで開催されるロッピス(Loppis蚤の市)めぐりを楽しみにしている人も多いだろう。つくづく自分に食器を集める趣味がなくてよかったと思う。

アフトンブラーデットが、今価格が沸騰している68のコーヒーカップとソーサーを紹介していた。私のようなシロウトでも知っているような超有名なやつではなく、もう少し地味だが今高く売買されているヤツたちである。完璧な状態では一客5万クローナ(67万円)以上で落札されるものもあるとか。

アフトンブラーデットの解説によると、2年前にレトロな食器が驚くほどの値段で売れ始めた時にはその背後には韓国や日本のレトロ食器ファンによるブームが指摘されていたが、今のクレイジーなほど高騰している価格は、おそらく台湾で出版されたスウェーデンのレトロ磁器に関する本が火をつけたのではないかという。

取材に応じていたオークションハウスの人は、今人気に火がついているカップ&ソーサーを持ってくるのは、少ない年金しか収入のない高齢の女性であることが多く、その人たちが突然大金を手にするのは見ていて少し心が温まると話していた。今は欠けているものやソーサーがないものまで驚くほどの価格がつくブームだが、専門家はこのブームは長くは続かず、このクリスマスシーズンにはもう終わっているかもしれないという。おうちに古いカップ&ソーサーのある人は、売るなら今のうちですよ!

人気のあるのはUppsala Ekeby GefleとRörstrandsのカップ&ソーサーで、1950年代から1970年代にかけてつくられたもの。5月にTraderaというオークションサイトで5万509クローナで落札されたのはFuruvikという名のUpsala Ekeby Gefleのカップ&ソーサーだ。これは1960年から1962年にかけて生産されたもので淡い青、緑、黄色のバリエーションがある。

pin.it

Kingという名のRöstrrandのカップ&ソーサーは、599クローナでオークションに掛けられたが最終的に3万388クローナで落札されたそう。

他のカップも確かにみんなかわいいが、こんなすごい価格で取引されているとは驚いた。私はよくわからないが68種類全部ざっとみてみた感想は「こんなのどっかのセカンドハンドのお店でまだまだこっそりほこりかぶってそう」だ。いや、きっと既にそんなことはなく、このトレンドにもっと早く気がついた人が、めぼしいものはもうすっかり買い漁ってしまった後なのかもしれない。ブームというのは恐ろしい。

スウェーデン食器の価格が沸騰中! 数千クローナの価値があるかもしれない68のレトロカップ&ソーサー(アフトンブラーデット)

© Hiromi Blomberg 2023