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ヨハン・レンク、デヴィッド・ボウイを指導する

HBOの『チェルノブイリ』や、『ブレイキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』でもいくつかのエピソードを監督しているヨハン・レンクがインタビュー番組に出演していて、デヴィット・ボウイの「Black Star」が生まれた背景やまたボウイの最後のミュージックビデオとなった「Lazazus」にまつわる、エピソードを語っている。

『ラスト・パンサーズ』というTVシリーズの撮影が終わった段階で、この作品には自分がこれまで憧れていたアーティストにタイトル曲をつけてもらおうと考えたレンクは、返事はもらえないだろうと思ったがデヴィット・ボウイにコンタクトをとった。

予想に反してボウイの承諾をもらい、一ヶ月後に曲をもらったレンクは、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティと一緒にスタジオに座っているボウイに、後先考えないで「素晴らしい、でもこのギターをもっとエレクトロニックなものに変えたい」と口にした。

その後の一瞬の沈黙に、レンクは「おいおい、私は何をしているのだ、ボウイを指導しようとしているのか?」と思ったが、その後ボウイとヴィスコンティは顔を見合わせた後に、演出の変更を「グッドアイディア!」と了解した。その時の曲を元に「Black Star」が生まれ、レンクはこの曲のミュージックビデオを監督する機会を得た。

このビデオの編集中にボウイから彼が重い病気でもうすぐ死ぬことを打ち明けられたが、その後二人はさらに一緒に、ボウイの遺作となった「Lazazus」のミュージックビデオを作成することになる。撮影中は直接にボウイの死に結びつけた形ではないが、「死というものについて」ボウイと話したと、レンクは回想する。

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私は昨日ちょうど、映画監督のイングマール・ベルイマンが、彼のアイドルだったスウェーデン映画の黄金時代(1917年〜1924年)の立役者であった巨匠ヴィクトール・シェストレムを、シェストレムの死の直前に『野いちご』で演出することになったエピソードについて書いたばかりだったので、このヨハン・レンクの話も興味深く聞いた。両方とも、憧れている人がいて、その人と肩を並べるまでになった時の喜びと恐れと甘酸っぱさのようなものが伝わってくる、頂点を極めるような人たちの間ならではの回想録だ。

あ、そうですね、ヨハン・レンクって、誰?って言う方は、ぜひこちらもお読みください♪

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ヨハン・レンクがボウイとの打ち合わせで思わず口にした言葉「後先考えないで口からでた」(SVT)

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