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抹消された環境省

これまでは独立した形で存在していた「環境省」が、昨日発表された新しい政権の元で抹消された。今回新しく任命された気候環境大臣は、エネルギー・経済大臣が率いる気候経済省に帰属する形となる。

前の政権で環境・気候変動大臣を務め、また環境党の代表でもあるペール・ボールンドは「環境問題への取り組みに壊滅的な影響を与える歴史的な決定である。この政府がいかに環境と気候を軽視しているかをはっきりと表している」とコメントしている。スウェーデンで環境省がなくなったのは35年間ぶり。

スウェーデンの各大学の環境学の研究者たちの多くも、環境省の廃止に批判的だ。ウプサラ大学で環境科学と気候リーダーシップに関する研究者、ミカエル・カールソンは「(新政府は)電力消費と化石燃料の大量消費を補助する政策を出しており、これまでの半世紀にわたる環境政策の根幹に反するものだ」と批判する。彼はまた「環境問題が気候だけの問題に矮小され、またそれが原子力発電だけの問題にされてしまっている」ともいう。新政府のエネルギー・経済大臣がこれから一番力をいれて実施すると宣言しているのが、原子力発電所の新設や再稼働問題だ。

環境省は1987年に環境エネルギー省として設立されて以来、存在し続けてきた。

今回、気候環境大臣に選出されたのは、スウェーデンの大臣としては最年少の26歳のロミナ・ポウルモクタリだ。彼女は今回もスウェーデン民主党との連携に大きな反対の声をあげたリベラル党青年部の代表としてこれまで活躍し、大臣に選ばれた今もスウェーデン民主党への見方は変わっていないと説明する。

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彼女を大臣に任命したのは政権の内側に取り込んで、口を封じさせようとするものではないかとの見方を、昨夜の公共放送SVTのニュースで政治解説員が説明していた。また今回、首相を始めとする主要閣僚が選出されている穏健党からではなく、リベラル党のそれも特にこれといった経験もない人物を気候環境大臣に選んだという事実からも、いかにこの政権が環境問題を軽視しているかが現れている、と指摘する声もある。

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さて、こんな時代に逆行するようなスウェーデンのあれこれを、これからこのブログで伝えることの意味があるのか、ちょっと自信がなくなってきたな......

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© Hiromi Blomberg 2022