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スパイ活動防止法で憲法改正

かねてより議論されていた、いわゆる「スパイ活動防止法」が、昨日スウェーデン国会で可決された。これは国外との関係に関わるスパイ活動を、報道の自由と表現の自由を侵害するものとして犯罪化するもの。報道と表現の自由を規定した法律はスウェーデンの憲法の一部だが、今回の改正は刑法と憲法の両方で行われる。

この改正により、スウェーデンと他国や他組織との関係に悪影響を与える情報の提供は犯罪行為となる。国会では環境党と左党を除き、他のすべての党が賛成。これまでは反対していたリベラル党も、右派連立政権の一翼となった後の今回の投票では賛成票を投じた。

改正に対する批判は、スパイ活動防止法は報道の自由を制限し、その結果一部の報道行為を犯罪してしまう恐れがあるという点にある。スウェーデン出版社協会会長のロベルト・アシュベリは「これはつまり、エルドアン大統領のような怪しい人物が、スウェーデンのメディアの報道内容にある程度の影響力を持つようになることを意味する」と説明する。

国際問題を報道するジャーナリストは罪を犯したとして起訴される可能性がある。またこの法律により、内部告発者がジャーナリストと話すことを恐れてしまう可能性もある。スウェーデンと他国、または他組織との関係に悪影響を与える情報を公開したジャーナリストは国家保安警察(Säpo)による調査を受け、最高4年の禁固刑に処される可能性がでてきた。

先述のアシュベリは、例えばこれまでの中央アフリカの国連軍による児童虐待を暴露した報道や、サウジアラビアに武器工場を建設するという、秘密裏に進んでいた計画を暴いたスウェーデン公共ラジオによる報道などは、スパイ活動防止法があれば報道されることはなかった、と批判する。

この法改正は来年1月1日から施行される予定。またひとつ、スウェーデンをスウェーデンらしくしていたものが死んでいくような……

国会で憲法改正可決・スパイ活動法は報道の自由を侵害するものとなる (SVT)

国会でスパイ活動法可決(アフトンブラーデット)

© Hiromi Blomberg 2022