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ルシア祭をめぐる問題

明日の12月13日はキリスト教のルシア祭。暗い闇をろうそくの明かりと透き通った歌声が照らす、私もスウェーデンの年中行事の中でも一番楽しみにしているものだけれど、ルシアをめぐる議論も毎年繰り返される。(こちらは2018年にまとめたもの)。

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2022年の今、ルシアをめぐる議論としては大きくわけて、まずキリスト教だけのお祭りなのに保育園や学校でも祝われること、いわゆるスウェーデン人女の子だけがルシアになってきたこと(少し前までは上の記事で紹介したように、そのルシアもコンテストで選んでいたこと)、そして子どもたちが歌ったりしている様子を親はSNSなどでどのようにシェアするのが適切かなどがあり、考えなくてはいけないことは多い。

今、学校などでのルシア祭で目立ってきているのは「ルシア祭風ルシア」で、宗教色や男女の役割分担を排除し、どの子も自分の好きな格好をし、歌う曲も伝統的なキリスト教に結びついたものではない新しい曲を歌うというもの。ルシア祭の根幹には愛と光がもたらす希望があり、それは特定の宗教に縛られる必要はないという考え方がここにある。

この20年ほど私が目にしてきたルシア祭のような形になったは、民俗学者によると1950年代と、それほど昔の話でもないが、大人たちは自分たちが子どもの頃に体験した形から変わることを望まないのだという。

しかし同じ民俗学者は「伝統」はある意味柔軟で、これまでにもルシアに男性が扮してきたこともあるし、あらゆる伝統はニーズに合わせてアイデンティを変えてきたと説明する。

最近のルシアをめぐる議論は、特に宗教や北欧固有の文化という点で過熱しがちで、それが人種差別的な発言に結びつくことも多い。日本で生まれ育ったからか、宗教うんぬんはそっち抜けで「ルシア祭、まぁ、なんてすてき」とすんなりとりこめる自分は、「平和的」なのだと思うことにしようっと。

ウメオのこの学校では宗教色を排除したルシアを開催・よりインクルーシブなルシアへ(SVT)

民俗学者は「多くの人は変化を望んでいない」と解説(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022