その年の新生児の名前統計の話題といえば、覚えているのが10年ちょっと前だろうか? 移民の多い都市マルメで、その年に生まれた男の子の名前で一番多かったのが、モハメッドだったというニュース。
この統計はスウェーデン統計局から発表されると毎年話題になるし、なにより赤ちゃんを授かった親はいつも参考にしていると思うのだけど、統計局は今年を最後にこの統計結果の発表をやめるという。
アラブ系の名前が多すぎてそれを隠蔽するための現政府による工作か? との考えが一瞬頭をよぎったが😅、統計局の責任者は「切迫した財政状況のため、経費節減が求められており、統計局は失業統計やマクロ、ミクロ経済などの科学的な統計を優先させる必要がある。名前統計はかなりの手作業を必要とするが、主観で判断する部分も多く本当の意味での科学に立脚した統計とは言えない」と廃止の理由を説明する。
主観で判断するというのは、例えばテレーズという名前ひとつとっても、おそらく20〜30種類くらいの綴り方があり、名前統計では、これを同じ名前として扱うかどうかの判断をしなければいけないという点にあるそう。テレーズさんの綴りで代表的なのはThereseだけど、いや、このテレーズ系、本当にいろいろな綴り方がある。日本人では同じ呼び方の名前で異なる漢字を使うのとちょっと似た感覚なのかもしれない。私もずっとEmilyさんだっと思っていた人がEmelieさんだったことに、かなり後から気がついたという経験が。
この統計がなくなるのは残念だが、統計局によるとスウェーデンで人気の名前には100年くらいの周期があり、1930年代に人気だった一音節の短い名前(アンとか、ヤーンとか マッツとか)が、また2030年くらいには主流になるだろうという大きな流れの予測があるのだそう。
今年のランキングをみると、30代から50代くらいの人が主に働く私の職場では、まだ出会ったことのない男の子の名前(MatteoやValter)が多いことに気がつく。これちょっと頭にいれておかないと、子どもの名前を教えてもらった時に覚えられないな。
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2022年の新生児で多かった名前のリスト
女の子(カッコ内は2021年の順位)
1. (9) Astrid 603
2. (2) Maja 601
3. (4) Alma 596
4. (3) Vera 592
5. (13) Freja 584
6. (14) Leah 570
7. (8) Ella 563
8. (1) Alice 552
9. (5) Selma 540
10. (7) Lilly 530
男の子
1 (2) William 690
2. (3) Liam 679
3. (1) Noah 677
4. (4) Hugo 643
5. (7) Oliver 629
6. (5) Lucas 616
7. (17) Nils 579
8. (8) Matteo 571
9. (11) Valter 566
10. (16) August 565
こちらの記事には1950年以降で人気のあった名前のランキングが10年ごとにリストアップされているので、興味のあるかたはどうぞ。
Populäraste namnen från 1950-talet till i dag
そして名前と言えば自分の名前と同じ人がスウェーデンで何人いるかを調べることのできるこのサービス。こちらもなくなっちゃうのかな?
Hiromiという名のついた女の人の平均年齢は46,5歳です、とここまで詳しく教えてくれるのに(というか余計なサービスというか😅)