過去10年で三分の一が姿を消したとの報道もあったストックホルム中心部のライブミュージック・シーンが、活況を取り戻しつつある。
今年は多くのライブハウスがオープンする予定で、さらには、この変化はストックホルムだけではなく、スウェーデン全国で見られるとライブミュージック興行の業界団体であるSvensk Liveがコメントしていた。
ストックホルムでは、オーナーが変わり改築したGöta Lejon、新オープンするThe Node、レストランVassa Eggenに新設されるライブステージや、Cirkusにも新しいステージができ、さらには、ソーデルマルムにあったKäglebananも再スタートをきった。
ライブハウスは近所から騒音で苦情がでたり、経済的に苦しかったりとこれまでは閉鎖が続く一方だった。Svensk Liveの責任者は「このトレンドシフトの裏には、コロナ禍を経験したことで、ライブ会場への思いがより強くなったということもあるだろうが、ストックホルムでは、政治的な決断がその背後にあった」と説明する。
どのような都市にしたいのか、人々は街で会う場をどのように作りたいのかを考えた時、ライブミュージックシーンはその中の重要な一部分となり、ストックホルム市は夜のミュージック・シーンをもり立てることを数年前に方針として打ち立てた。そのことはたとえば、Liljeholm橋にある浮き橋をライブのために開放したり、19世紀末にガスタンクとして建てられた歴史あるレンガ作りの建物をコンサート用施設として改装することを決めたことにも現れている。
Svensk Liveは同時に、小さなライブハウスは文化委員会などの行政からの財政的な支援がなければ、とうていやっていけないとも訴えている。記事では政府がどのように小さなライブハウスを支えているのかは書かれていなかったが、続報を目にしたらぜひまた取り上げよう。