少し前から、ロシアからのスパイに関するドキュメンタリーの告知をチラチラと見かけていたのだけれど、今朝起きたらSVTニュースサイトのトップが「プーチンのスパイ」関連ニュースで埋め尽くされていた。
今日放送されるSVTの人気の報道番組「Uppdrag granskning(調査報道)」では、スウェーデンで諜報活動を行うスパイ容疑のロシア人を特定し、そのうち13人が目下活動中であることを伝えている。スウェーデンをはじめとする北欧の安全保障諜報機関によると、ロシア公館で働く職員の約3分の1が諜報活動に関わっているが、外交官特権を持っているため、ウィーン条約により保護される立場にある。
SVTは、特定した人物に関するリストをSäpo(スウェーデン治安警察)に手渡し、昨日の4月25日、Säpoが5人のロシア外交官の国外追放を決定したことをニュースは大きく伝えている。これらのニュースと一緒に、SVTはなぜこれらのスパイの名前と関連情報を公開することにしたかを、番組とSVT報道局の責任者からという形で別途掲載している。
その記事では、ロシアからの外交官という保護される立場の人物が諜報活動に関わっていることはこれまでもSVTは知っていたこと、しかし昨年春のウクライナでの戦争の勃発以降は、デンマーク(Danmarks Radio)、ノルウェー(NRK)、フィンランド(Yle)の公共放送と協力して調査を続け、また本格的な侵略戦争が今も続いているという状況の大きな変化から、これらの情報の公開にふみきったことが書かれている。これは歴史的な報道で、難しい側面を含んでいるが、現状を考慮すると報道しないという選択肢はなかったと記事は結んでいる。
最近、気候危機報道でも目立ってきていた北欧各国の公共放送が共同で行う調査報道。一つ一つの国は小さいが、まとまればそれなりの規模になる。気候危機もロシアも、小さな北欧の一国が戦いを挑むには大きすぎる。人と人も、国と国も連携すれば強くなるが、そこにはまだブロック化という難しい問題もあったりもするけれど。
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