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「スウェーデンはもっとスウェーデンらしく」

昨日のメーデーに、去年までの8年間、政権を担っていた中道左派の社会民主党が行った演説を、SVTのマルモステイン政治解説員が分析していた。

社会民主党は昨年9月の選挙で、左派連合としての選挙には負けたものの、極右政党であるスウェーデン民主党と戦う姿勢を明確にすることで、党としては支持率を伸ばし、特に都市部や女性の間での支持の伸びが顕著だ。

昨年9月からの短期間でも、右派政権のもと、それまでの社会民主主義的な政策が徐々に代わりつつあるなか、昨日のメーデーで社会民主党がだしてきた新しいスローガンが「スウェーデンはもっとスウェーデンらしく」だ。

マルモステイン解説員は、これが何を意味するのかはまだよくわからないとしつつも、排他主義的な極右政党的価値観への戦いだけでは、社会民主党の戦いはこの先厳しいものとなること、もっと明確な右派とは一線を画す具体的な政策を打ち出さなければこのさきも支持が伸びるかどうかは怪しいという。しかし、移民の大規模な流入の結果、国全体で協力する左派的な価値観を、大きく打ち出すことも難しいというのが彼女の分析だ。

メーデーではもちろん極左政党の左党も、減ってきている福祉政策への予算の分配を訴えていたが、今の右派政権はこの先まだ3年以上続く。次の選挙の時にはどんな勢力分配になっているのだろう。

スウェーデン民主党との戦いが、今も社会民主党の重点課題である(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023