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支持者を失う極右政党

「今選挙があったらあなたはどの党に投票するか?」を聞いた最新の世論調査では、極右政党のスウェーデン民主党が躍進した前々回の選挙の前の2017年11月と同レベルまで支持を減らし(16.4%)、投票者数に換算すると25万人相当の有権者の支持を失った。

同党は、昨年9月の選挙の時に公約として掲げていたガソリンやディーゼル車の価格の引き下げなど、具体的な政策を実現できておらず、また目下国家の最重要課題となっているインフレ対策や危機管理の問題でほとんどなんの役割も果たせずに、支持を失った。

一方、支持を伸ばしたのは中道左派の社会民主党(38.4%)。今回の調査では現在の政権を支えている与党側が合計43.5%の支持を集めており、それ以外の野党を集めると55%となる。

スウェーデン民主党のジミー・オーケソン党首は、選挙の後しばらく表舞台から姿を消していたが、同党が支持を失いつつある傾向を把握してから、最近はまたよく発言するようになった。

有権者が生活に困っている時に同党ができることはあまりないが、それでも、風力発電取り壊しを訴えたり、EUの移民政策によりスウェーデンで同党の主張が通らなくなるだろうことから与党各党と結んだ協約を破棄すると脅したり、はたまたレジ袋税廃止についての発言や、大きなものでは、EUへの加盟を疑問視したりと、直近で、多くの注目を集める発言を行ってきた。(こういうのもあった「国勢調査」か? 抑圧的尋問か?

ジミーの目論見があたって、スウェーデン民主党が失った支持をまた取り戻すことができるかどうかはまだ未知数だけど、ジミーのお騒がせ発言はしばらく続きそうだな。

SVTとNovus最新調査・野党が有権者を掌握(SVT)

解説「スウェーデン民主党は支持を失う。与党を影で支える役割が高くついた」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023