swelog ニュースで語るスウェーデン

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6G

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という言葉、ニュースの表題に使われているのを見たのはおそらく初めてかも?

無線高速通信の5Gの本格的な展開もまだなのに、今年に入ってから6Gの開発が本格化している。ヨーロッパは6Gの開発で世界をリードしたいと考えており、年明けにEUとしての6Gプロジェクトを立ち上げた。スウェーデンでこのプロジェクトを主導するのはヨーテボリのチャルマース大学のコミュニケーション技術のトミー・スヴェンソン教授だ。

スヴェンソン教授は4G、5G、6Gの違いを以下のように説明する。今、私たちが使っている4Gでは、スマホでインターネットが使えるようになった。まもなくやってくる5Gでは、その無線通信が大容量化し、映像解像度が向上し様々な機器を遠隔操作することができるようになる。それは車の自動化運転を意味したり、外科医がその場にいなくても遠隔操作で手術を行うことができる世界を意味する。

そして6Gが目指すのは、デジタルの世界と私たちの存在する生の世界を結びつけてしまうことだ。今は、デジタル通信を通じて視覚と聴覚で遠方とつながることができているが、6Gが実現するのは、それ以外のつながりをも感じることのできる技術を提供することだ。それは例えばハグしている感覚だったり、遠く離れた人の誕生会にその場で参加しているように思わせてくる技術だという。

6Gでは移動体通信の「アンテナ」の概念が変わる。6Gが目指す通信を行うためには無数の小さなアンテナが必要になる。それは例えば各部屋に一つといった具合。6Gの小さなアンテナはテラヘルツ領域までのより高い電波を送受信できるが、使用する電力はとても低くなる。6Gは国連の気候目標に貢献できる持続可能な無線通信を目指している。

2030年を目標として開発が進められる6Gが目指す世界は、2016年に読んだドイツの近未来小説『ドローンランド』を思い出させる。

大小さまざまなドローンですべてがデータ化された監視社会。ボガード好きの昔気質の警部がシュミレーション空間「ミラースペース」を駆使して挑む巨大な謎。

young-germany.jp

 高度なシュミレーション技術の話なのに、印象的なのはぬかるみに足を取られる描写であったりとか、トム・ヒレンブラントが描く近未来の世界はやけに泥臭かった。この小説が書かれたのは2014年でもう7年近くも前だ。ヒレンブラントは最近はどんなものを書いているのかちょっと気になってきた。ちょっと調べてみるかな?

現実とデジタルの世界をつなぐ6G(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023