昨日、オーガニック食品だからベストなチョイスであるというではない、という話を書きましたが、つい最近スウェーデンのWWF(世界自然保護基金)がハロウミチーズに注意するように訴えていましたのも同様の問題かと思います。
環境のために肉食をやめる人が増えている中で、スウェーデンではハロウミチーズの消費が増え輸入が急増しています。でも、ハロウミチーズの原産国キプロスでは、家畜に大量の抗生物質が投与されています。その量はスウェーデンと比べて40倍以上。
(画像・Foto: Helena Risinger/SVT)
加熱してもとけないという特性から、肉を食べない人がバーベキューの食材として選ぶことが多いハロウミチーズ。2010年には21トンにしか過ぎなかったキプロスからスウェーデンへの輸入は、昨年には4000トンへと拡大しています。
私も知らなかったのですが、ハロウミとはキプロスで伝統製法で作られたチーズだけが使える名前で、原産地呼称保護制度で守られたものだそうです。
古来の製法ではヤギと羊の乳から作っていたけれど、近年は牛乳を混入しているものも多く、牛乳が総量の80%以内に収められていればハロウミチーズを名乗ってもいいそう(基準が結構甘いですね!)。
先に書いた抗生物質と家畜の関係は豚なども含めたキプロスの家畜全体での計算で、またチーズに直接抗生物質が含まれているわけではないですが、環境や健康に様々な形で与える影響は大きいと思います。
スウェーデンへの輸入業者たちは、キプロスの状況が改善されるよう対話を続けていくと話していましたが、すでにオーガニックのハロウミも販売されてますので、購入の際にはぜひご検討対象に。
さて、ここからは、現在のハロウミチーズ売り場での困惑をなくすための情報です。
- ハロウミチーズは食べたいけど、スウェーデンで地場生産されたものがいいと言う人のためのチーズがEldost。スーパーでこれはなに?と思った人もいるかもしれません。
Eldostはスウェーデン酪農協会の発案でスウェーデンの原材料でつくられたハロウミに似たチーズ。使われているのは牛、ヤギ、羊の乳がブレンドされたものか、単種で製造されたものもあります。
- GrilloumiはFountanas社が登録商標している固有名詞のチーズブランド。使われている乳の種類や原産地に関して決めてはいないようですが、いまのところはキプロスで作られています。
- Grillost、Stekostは普通名詞で、ハロウミタイプのチーズを指すことが多いようです。今はブルガリアの牛乳で作られたチーズにこの名称がついていることが多いよう。
- Filloumi、Koloumiはスウェーデンで商標登録されたけど、Halloumi勢力側からの猛反対で生産中止になったチーズの名前です。
さて、これで買い物の時あまり迷わなくていいか? いやもっと迷う? しかし、ハロウミ関連チーズ売り場、本当に大きくなりましたよねー。