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コロナの時代の柔軟性と想像力

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これまでもコロナの影響で失業した航空会社の客室業務員が福祉の現場で働きはじめたり、レストランで働いていた人がEコマースで職をえたりといった話を取り上げたが、今日の話題は移民庁の職員の話だ。

多くの国境が閉ざされている今、スウェーデンの移民庁では仕事が激減しているわけだが、その移民庁の職員を人手が足りていない官庁へまわして働いてもらおうという大枠がまとまったと、スウェーデン・ラジオが伝えている。どの官庁へどれくらいの人が異動するのかなどの詳細はこれから。スウェーデンでは官庁といえども平時から結構頻繁に新しい組織ができたりなくなったりしているので、これくらいの柔軟性は当たり前といえば当たり前か?

そしてこの時期忙しそうな官庁といえばスウェーデン社会防衛対策庁(MSB・Myndigheten för samhällsskydd och beredskap)もそのひとつだが、こちらからは昨日「この先は、みんな想像力を働かせてね」と談話がでた。

MSBは、具体的な危機が迫っているのではないとしたものの、この先水道水の浄水に使われる科学薬品の入手が困難になり、飲水の確保に影響がでる事態に陥る可能性もなくはないと指摘する。

他にも、農業で人手が足りなくなり食品生産に影響がでてきたり、必要な物資を運搬してくれるトラックの運転手の病欠が増えて流通が滞ってきたり(運輸に関わる人は現在病欠以外にも一時解雇の理由でも減っている)、これから先コロナの影響が様々な形で社会にでてくることを理解してほしい、とのことだった。

妄想が進んで不安に陥ってしまってはいけないが、現実的な想像力でプロアクティブに頭と体を柔軟に動かして4連休明けの今週を始めよう。

移民庁職員が他官庁へ

MSB「パンデミックの影響が社会にどのように現れてくるかを理解する必要がある」

© Hiromi Blomberg 2023