サッカーが好きなら、去年のW杯ロシア大会のスウェーデン=ドイツ戦で起こったことを覚えている人もいるかもしれない。
スウェーデンチームのジミー・ドゥルマズのファウルによるドイツのフリーキックが決勝点につながり、ドゥルマズはSNS上で人種差別発言と殺害などの脅迫にさられた。(事件の概要)
昨日行われた裁判で、ドゥルマズのインスタグラムで差別発言と脅迫を行った17歳に有罪の判決が出された。
たとえSNS上であっても差別は許容されないとの判例を作ったこの結果(これから上訴される可能性はある)は大変重要であるが、裁判では他にも興味深いことが2つほどあった。
- 訴えていたのはドゥルマズ本人ではなく、スウェーデンのナショナルチームであること
- 現在、フランスでトレーニングに参加しているドゥマルズは、裁判所が用意したネット上のリンクを使ってリモートで裁判に参加していたこと
特に一つ目のポイントは、差別は個人的な問題ではなく、社会、組織として許容されるものではないという点を明確にするものとしてたいへん重要だ。
ネットの反対側に隠れて、ひどい言葉を簡単に投げつけられる今のSNSの状況が生まれてまだ10年ほど。新しい倫理をつくっていく必要がある。