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Preemが露呈する旧来ビジネスの経済的非合理性

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10日ほど前に「スウェーデン政府は、今後の世界の資本主義の流れを変えるかもしれない大きな選択を目前にしている」と書いた、燃料企業大手Preem(プリーム)の製油所の増築計画は、昨日、思わぬ形で決着がついた。

Preemが申請していた増築計画を撤回したのだ。

(その計画と議論の概要はこちら。スウェーデンの環境問題と私のエコバッグ

撤回の理由として挙げられたのは、大規模に展開されていた環境問題からの反対活動ではなく、コロナ禍で変化した経済的非合理性だった。

Preemは化石燃料の製油ではなく、再生可能エネルギー開発に向けた投資に集中することを決定し、そのビジネスの中核を変更する方向に大きく舵をとった。コロナ禍で世界に起きた変化で製油の需要が大きく落ち込み、製油所の増築しても採算性は見込めないとの結論に至ったのだ。

苦渋の決断を迫られていたスウェーデン政府は、このPreem側からの発表に胸をなでおろしただろう。グレタ・トゥーンベリはこの発表を受けて「気候活動家側の圧倒的勝利」とコメントしている。

コロナ禍という誰も予測していなかった出来事がきっかけとはいえ、エネルギー関連企業はビジネスの中核を持続可能性においたものでないと、この先、資本主義的経済合理性も保てない踊り場に立っていることが明らかになったのは、とても興味深く、このPreemの決定は、ひとつのエポック・メーキングなものになるかもしれない。

そしてエネルギー業界に限らず、大量生産・大量消費を前提として大きくなってきた各種企業はこの先、その経済合理性を失うことで、方向性を変えていくのかもしれない。

なんだか、少しだけ空気が変わったのを感じる朝。

Preemがリーセシルの製油所増築計画を撤回

グレタ・トゥーンベリがPreemについてコメント「気候問題活動の圧倒的勝利」