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信頼を築いた、質問がなくなるまでやる定例記者会見

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今年の3月以降、公衆衛生庁と関係省庁が合同で開催してきた新型コロナウイルス対策に関する定例記者会見が昨日で100回目を迎えた。当初は連日、現在は毎週火曜日と木曜日の14時に開催され、SVTで中継されてきたこの記者会見が持つ意味はとても大きい、とヨーテボリ大学で報道とメディア学を研究するベングド・ヨハンソン教授は分析する。

それは例えて言えば「現代におけるキャンプファイヤー」のようなもの。他の時間はそれぞれ異なる現場で自身の目の前の状況や役割に集中していた人々が「定例記者会見」という火のまわりに三々五々集まり、全体の大きな状況変化に関する報告を聴く。

今日の感染者は何人、死者は何人と報告が続いたあとは、メディアからの質疑応答に質問がなくなるまで、根気よく答え続ける各省庁の役人たちを私たちは見続けてきた。

新型コロナウイルスがアウトブレイクした当初は、その状況の変化を毎日確認するために記者会見を見たが、今は状況は今日も落ち着いていることを確認するために人々は定例記者会見に注視する。

ヨハンソン教授はまた、この定例記者会見はコロナ禍の中でSNSの対抗軸としての位置を確立したと話す。短い信頼性の低い言葉も次々に流れていくだけのSNSと違い、定例記者会見はファーストフードに対するスローフードやゆっくり走り続ける長距離走のようもので、今の社会から消滅し続ける時代遅れな形そのものが私たちを突きつけるのだとヨハンソンは分析する。

何があっても14時になれば、状況の確認ができる。批判されても炎上しても14時なればアンデシュ・テグネルがでてきて、わからないことはすべて質問することができる。

この安心感がコロナ禍の中のスウェーデン人を支えてきたと、私も確信します。

「定例記者会見は、現代における”キャンプ・ファイヤー”」と学者が分析