swelog ニュースで語るスウェーデン

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日曜夜の『Agenda』

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普段なら日曜の夜寝る前に、シリアスなニュース番組など絶対見ないけれど、これからしばらくは夜9時すぎに始まるSVTの『Agenda』を見てから床につくことが習慣になりそうだ。

昨日は、ロベーン首相から国民への5分ほどの特別メッセージが放送された後にすぐ始まった『Agenda』は、これまで政府や公衆衛生庁の方針に鋭い批判を展開してきた最大手新聞ダーゲンス・ニュヘテルの政治論説委員と、SVTの国内政治コメンテーターによるロベーン首相の演説の評価から始まった。

この困難を乗り越えるために国民が力を合わせることの大切さを強調した演説を受けて、スウェーデンは一丸となること、そのためには与党やEUに関する言及もなかったことなどが指摘された後、次に出演したのは先週怒涛の批判を受けた公衆衛生庁の疫学責任者のアンデシュ・テグネルだ。

彼が落ち着いた雰囲気の中で、これまでと同じものの見方を語った後は、先週、感染症の拡大阻止よりも人々の生活維持、失業者対策の必要を強い憤りとともに訴えて注目を集めた年金運用機関のCEOへのインタビューなどが続き、『Agenda』の内容はこれを見ておけば、その週に起こった重要な事項の論点と、週が明けたらなにが起こりそうかがよくわかる構成になっていた。

昨日、番組を見終わった後は、SVTはなぜ政府・行政への鋭い批判を展開していたダーゲンス・ニュヘテルの編集主幹のペーテル・ヴォロダルスキを呼んで、アンデシュ・テグネルと論争させないのか、の一点だけが気になった。

今は異なる意見同士で論を戦わせている余裕はまったくないくらい事態は深刻だということだろうが、これは政府による情報操作(?)なのか? であればどこまで許されるのか? ロベーンがヴォロダルスキに国家のために協力を依頼したのか? SVTはどういう立ち位置だったのか? 与党が社会民主党ではなく、極右政党のスウェーデン民主党だったとしたらどうなっていただろう......とここまで自分の妄想が及んだところで眠れなくなりそうだったので、考え続けるのを中止した😅

今のところダーゲンス・ニュヘテルは、ロベーンの演説に関してはAgendaに出演したエヴァ・ステンベリ論説委員のコメントを掲載しているだけだ。今週は感染の行方と同時にジャーナリズムの行方も気にかけ続ける週になりそうだ。

そんなこんなが気になるけれど、まずは月曜日はいい天気で始まりました。

エヴァ・ステンベリ解説「ロベーンは国民への演説でバランスを重視した」

© Hiromi Blomberg 2023