3月から半年近くに渡って実施されていた高齢者向け住宅への面会禁止が解かれることになった。長らく自分の伴侶にも会うことができなかった人たちは、今週公衆衛生庁から出たこの方針の変更を歓迎している。
スウェーデンで残念なことに多くの新型コロナウイルスによる死者をだすことになった高齢者向け施設でも、この間に職員への教育も徹底されコロナ禍をうまく乗り切るための体制が整ったという見方が、この面会禁止解除の背後にある。
同時に冬が近づいてくると今は収まっている感染の状況はまた拡大することが予想されている。また、スペインなどの他のヨーロッパ各国では感染確認者の数がかなりの勢いで伸びているという直近の状況もある。
昨夜のニュースにでていた感染症対策のヤン・アルベルト教授は「冬にはまた感染が広がるだろうが、この春と同様の大変な状況へとは戻らないだろう」と予想する。今感染が広がっているのは若い人たちが中心で、その感染者拡大状況がそのまま集中治療室に運ばれる患者数や死者数へとはつながらないだろう」という見解だ。
さらには今はPCR検査の環境が整っているので、どこかでアウトブレイクが起これば、すぐにそのクラスターを分離して感染を抑える対策を取ることができるだろう、と話す。
さて、高齢者向け住宅への訪問・面会禁止は解除されたけれど、70歳以上の高齢者の社会的な行動抑制の要請はまだ残っている。ただでさえ暗くなって気が滅入るこれからの季節、隔絶された状況で孤独な高齢者の精神的な健康が心配だ。
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とか考えていたら『老人と冬』ならぬ『老人と海』というヘミングウェイの小説のタイトルを思い出した。
私自身このブログでも「高齢者」という言葉をずっと使っていて「老人」という言葉はこれまでおそらく使ったことがないと思う。最近の子どもは「老人」と聞いても何を指す言葉なのか知らないのかも? 小説のタイトルが「高齢者と海」ではあまり読む気もそそられそうにないけど…… あ、話がそれちゃってすみません!
(「老人と高齢者」に関してはこんな記事がありました。「老人」という言葉を使うと差別にあたるのか | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)