体験したことがない方にはわかってもらえないかもしれないが、私に言わせればルシア祭のないスウェーデンなんて「スウェーデンなんてまったくいいところがないじゃないか！」レベルの惨事である。
闇の深さになぜこんな暗い国に引っ越してきてしまったのかを呪いたくなるとき、美しい歌声が清らかに響き渡り、大好きなサフランのパンとホットワインで心身ともに温まる。ルシアが来ると、仕事もそろそろクリスマスの休暇ムードで、もうちょっとしたら日もまた長くなり始める、と、心に希望の光も灯る。最初はギョッとした八つ墓村のような頭上ロウソク装束にももうすっかり慣れた。
なのにコロナはルシアまで奪……おうとしたがスウェーデンも頑張った。
今年のルシアの合唱隊はトラックや馬、はたまたカヤックに乗ってやってきた。今年のルシアは今日の日曜日だが、その前に全国各地で開かれたコロナ対応したルシア祭の様子をSVTがビデオクリップとともに紹介している。
一番ビックリしたのはウプサラの40メートルの高さのお城の屋根の上のルシア合唱隊だが、こちらは実は今年コロナで始まったものではなく去年からの新しい試みだそう。またウプサラの大聖堂では今日の午後、ドライブイン・ルシア祭を開催する予定だとか。
私はみんながルシアの替え歌を自宅でそれぞれ録画したものを編集してルシア合唱隊としてまとめたビデオの制作に参加した。これはこれで楽しくコロナとともに思い出に残りそう。
あ！もう少しすると朝の7時からSVT1で今年はユッカスイェルビからのルシア祭が放送される。準備しなくちゃ。今年は朝からぐんとアルコールの効いたホットワインでも飲むかなー？（番組は来年の6月11日まで世界中から視聴可能です）
