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コロナの中の犯罪

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スウェーデンでも3月半ばくらいからコロナ生活(?)が始まって、みんな街ではウロウロしないで家にいることが増えたから空き巣などは減ったのでは? などは単純に予想できるけど、実際のところ、どんな犯罪が減ってどんな犯罪が増えたのか? 

警察の犯罪統計から見えてくるのは、やはり空き巣や商店を狙った強盗が減ったこと。これは被害者側の行動が変化したことに加えて、このような犯罪には以前より外国の犯罪組織の関与が指摘されており、国境をまたいだ犯罪が抑えられたということらしい。

そんな状況のなかでも増えているのが、麻薬関係の犯罪。

犯罪全体の総数は減っているのに、麻薬関係の犯罪は3月も4月も前年比でそれぞれ6%、13%増えていたが、5月ではさらにその傾向は顕著で同月前年比で26%も増えている。

この結果について警察は、コロナの状況下でも麻薬はスウェーデンに持ち込まれ続けていたらしいこと、また増え続けた麻薬関連事件のために特別な捜査強化体制をとったことの効果が数字に反映されたとみている。

さらには、届け出された数字からだけでは実際の犯罪の状況がつかめていない他の犯罪もあることも指摘されており、それが数字だけみると3月、4月は減っていた子どもへの虐待といった犯罪だ。閉じられた空間で虐待や家庭内暴力は増えたと考えられているが、その時期は届け出をすること自体が難しく、数字には反映されていない可能性がある、と警察はコメントしている。

5月の統計数字をみると、児童虐待の件数もまたそれ以外の犯罪も届け出数はコロナ禍以前の状況に戻りつつあるとのことで、この夏もまた通年と同様の犯罪状況に戻るだろう、というのが警察の見解だ。夏には元に戻りますといわれても、まぁ、そんなもんか、ということかな?

犯罪は全体として減少傾向だが、麻薬関連は増えている

警察の統計発表ページ

© Hiromi Blomberg 2023