スウェーデン政府は、5月19日、鉄道と道路インフラ並びにインターネット網の建設に特別追加予算として新たに12億クローナ(約135億円)の投入を決定した。
このうち7億2000万クローナ(約81億円)がコロナで激減してしまった運賃収入の補填と、運行が減ったことで新たに創出されたメンテナンス機会の有効活用という目的で交通庁へと割り当てられる。
南北に長いスウェーデンでは鉄道も大切なインフラ資産だ。
この国ではどの地方においても線路は基本的に1本で、その同じ線路をSJ(スウェーデン鉄道・国有)や各地方自治体が運営する交通第三セクター、さらには私鉄が、仲よく(ないかもしれないが)一緒に使う。
私の住む南スウェーデンでは、毎年冬になると積雪の影響などでも電車のダイヤはよく乱れ「冬は毎年来るのにアホちゃうか」と長年思っていたが、それが線路のメンテナンス不足のせいと知った時には、思わず日本で夜な夜な線路の点検を行ってくれている鉄道関係者に深く深く一礼したい気持ちになった。
今回の発表を行った連立政権の中央党のアンデシュ・ヨンソンは「交通庁と話したが、この予算の効果ははっきりと目に見える形で現れてくる」とコメントしているが、私は信じないぞ。
コロナのピンチを逆手にとって、この機会に状況の改善を図ろうというのはすばらしい考え方だと思うが、このあたりの鉄道運行のイケテなさは、きっとこれだけやっても焼け石に水程度ではないだろうか?
どうかコロナが落ち着いたら、スウェーデンの鉄道関係者はみんな日本に行ってインターンとして修行してくる計画もたててください。