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決まりきった(つまらない)日常が救う、コロナの中のメンタルヘルス

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コロナ禍で人々の精神状態がどう変わったかについて、世界で行われた10程度の異なる研究結果をスウェーデンの公衆衛生庁がまとめてレポートとして発表している。

Covid-19-pandemin och befolkningens psykiska hälsa – vad indikerar longitudinella studier? — Folkhälsomyndigheten

コロナ禍のスウェーデンでは特に70歳以上の高齢者が家に留まることを要請され家族や友人にも会えないような状況となったので、その人たちのメンタルヘルスが心配されていた。

ところが今回のまとめで分かったのは、落ち込みや気分の優れないことが一番目立ったのは若者たちだった。

取り上げられている調査の中には、特に学生の間にメンタルの不調が目立ったものもあった。ただでさえ将来への漠然とした不安や、ちょっとした人間関係に悩むことが多いのがこの世代だと思うが、学校の授業がリモートになるなど物理的な人との接触が減っているコロナ禍の状況もメンタルヘルス悪化に拍車をかけているようだ。

このニュース記事では、公衆衛生庁のコロナ禍で気分を上向きに保つためのコツをまとめたページを一緒に紹介していた。もうみなさんのご存知のことばかりかもしれないけれど簡単に書き出してみよう。

  • 外にでて体を動かそう
    家の中で歩いたり階段を上り下りしたりするもいいが、外気と日光を浴びれば睡眠の質も上がる
  • 親しい人とのコンタクトを保とう
    会えなくても電話やビデオ会話などを使って。また屋外で会うのもいい
  • ルーティン化された日常が大切
    常時にはつまらなく聞こえるこんなヒントもパンデミック時には大切。毎日なるだけ決めた時間に就寝、運動、食事を行い、生活のリズムを保とう

学生はルーティン化された日常をつくるのが難しいのかもしれない。

これに似たようなものとして、カロリンスカ研究所は「Covid-19で睡眠障害に悩む人へ」というパンフレットを作成している。この中には、特に医療従事者へ向けられたアドバイスもあるが、例えばコロナ禍でちょっとした自主的隔離生活を送っている一般人へのアドバイスはこんな風だ。

  • 就寝時間をルーティン化する。特に毎日同じ時間に起きることを心がける
  • 不安に押しつぶされそうになったら、毎日日中のどこかで15分の時間をとって今気になっていることを書き出す。それに対して自分でなにかできることがあれば行い、自分では解決できないことならそれについて考えたり人に話したりする。でもその件について考えるのはこの15分間だけにするよう務める
  • ベッドは睡眠とセックスだけの場所だと決める
  • ニュースや情報ばかりを追いかけるのはやめて、なにか没頭できる趣味にでも時間を使おう
  • 寝る前に決まってやる習慣を作ろう。本を読むとかヨガをするとか

コロナ禍でなくとも一般的に女性の方が不眠に悩む人が多い。さらには、常時でも家事の多くを女性が負担しているが、コロナ禍ではみんな家で過ごすことが増え、家事の絶対量が増えたことでさらに強いストレスを感じている女性も多い。特に子どものいる家庭では、長くなってきたこのコロナ生活の中、家族間で家事の分担量の見直しをすることがとても重要だそうだ。

すっかり明るく春めいてきたが、ストックホルムでは先週下水に警戒しないといけないほどの量のコロナウイルスが検出されたということで、ワクチン接種が広がっていってもこの先もまだまだコロナ生活は続きそう。このあたりで皆さまもどうぞもう一度、日常のルーティンや非ルーティンを見直す時間をとってみてください。

パンデミックが若者のメンタルヘルスを圧迫していく

© Hiromi Blomberg 2023