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コロナ禍で減った自殺者

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コロナ禍の日本では自殺が、特に若い女性の自殺が増えていると読んだが、スウェーデンでは自殺は減っている。去年と比較すると特に女性の自殺が12%減っている。

同様のコロナ禍での自殺統計がまとまってきているノルウェーやフィンランド、またイギリスやオーストラリアといった国々でも自殺者は増えていない。だたヘルプラインなどへの相談が増えるなど、気分のすぐれない人が増えている兆候はある。

カロリンスカ研究所の精神科のクリスチャン・ルック教授は、1910年から1978年の間の自殺者数と感染症の相関関係を分析した。結果はまだ文献として発表されていないが、わかったのは1918年はインフルエンザ、いわゆるスペイン風邪で25000人が亡くなっているが、同年の自殺者はこれまでの統計の中で一番低いというのものだった。

同様の結果は、最近アメリカのコネチカットで自殺数を調べた研究からも見て取れる。コロナ禍で医療機関が大変な状況になっている中、自殺者は13%減ったことがわかる。

ルック教授は、コロナという共通の敵に立ち向かう連帯感のようなものが生まれ、それがこの自殺者の減少に影響しているのではないかと話す。また孤独や孤立している状態を例年ほどつらいとは感じないのかもしれないとも見ている。

理由はどうあれ、スウェーデンの孤独な人が一年で一番つらい日といわれており、もうすぐやってくるクリスマス・イブの冷たさが、少しでもやわらぐこともあるのかもしれない。

 

話は変わるが今朝はまた、2019年のオロフ・パルメ賞を受賞したジョン・ル・カレが亡くなったというニュースが入ってきた。ご冥福をお祈りします。Tack, Le Carre!

オロフ・パルメとジョン・ル・カレ - swelog 今日のスウェーデンのニュース


パンデミックの中、不安は増したが自殺者は減った

© Hiromi Blomberg 2023