スウェーデンのニュースメディアへの広告費は、2008年の120億クローナ(約1450億円)から55億クローナ(約670億円)へと半分以下に減った。これは毎年約5億クローナ(約60億円)ずつ減り続けた計算になる。
この統計を発表したのはIRM(広告・メディア統計研究所)で、この度発表したレポートには2008年と2019年の比較、さらに2020年と2021年の予測がまとめられている。
統計を見てすぐ気がつくのは、スウェーデンでは広告費は全体としては伸び続けているが、その中で地方紙をはじめとする印刷媒体への広告費がすごい勢いで減り続けていることだ。
今回のレポートでは、これまでの金融危機(2009年)やITバブルの崩壊の時期(2001年〜2003年あたり)にあった広告費の落ち込みとその回復具合と、今年のコロナ禍での状況との比較も行っているが、これまでの広告費危機と異なるのは、印刷ニュース媒体を支えてきた旅行業なども回復基調となるには時間がかかりそうで、今年拍車がかかった紙系ニュースメディアの広告費の落ち込みの回復が予測できないことだろう。
そんな中でも地方紙とは異なり、大手新聞ダーゲンス・ニュヘテルは広告費は減ったものの、デジタルの購読者収入を増やし続け、厳しいながらも経営状態を上向きにさせてきた。
そんな中、先ごろこのダーゲンス・ニュヘテルが発表したのがグレタ・トゥーンベリを一日編集局長として迎えること。一日編集局長として、その日どのような記事を掲載するはもちろんのこと、その日の新聞ににどのような広告主を迎えるかも彼女が決めることになっているという。これはなかなかおもしろい企画だ。
これは9月にグレタ・トゥーンベリがダーゲンス・ニュヘテルで講演を行った際に「ニュースメディアは大切なことを伝えていない」と彼女が批判したことから、持ち上がった企画、でいまのところ12月に実施される予定だ。
この日の新聞は飛ぶように売れそう。