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コロナSMS

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SMSはショートメッセージサービスの略で、スマホ以前の時代から携帯電話の番号同士でテキストメッセージをやりとりできる仕組みだ。日本では仕組みはあっても使っている人はほどんどいないと思うが、多くの人がスマホで普通のメールや他のメッセージアプリを使うようになった今もスウェーデンでは簡単なメッセージによく使われている。

最近は家族や友人間で使うことはほどんどないが、郵便局からの荷物の受け取りに関するお知らせや、図書館から予約した本が入荷したお知らせ、または銀行やお店などからのキャンペーンのお知らせなどにもまだまだよく使われている。

そんなSMSを使ってコロナに関する情報を国民に届けることをスウェーデン政府が決定した。スウェーデンでは12月14日から全国を対象に一層厳しくなった新型コロナウイルスに関する政府からの勧告が適応されることになっているが、SMSはこの勧告を守るように促すもので、スウェーデン国内の2200万の携帯電話契約者に送られる。発信人は、公衆衛生庁や社会防衛対策庁からとなる。

このSMSが人々の行動変革を促すものになればいいと思うが、このニュースのすぐ横に「警察が注意喚起・コロナSMSを装った詐欺にご用心」という別のニュースも掲載されている。コロナ禍でスウェーデンでのインターネットを利用した詐欺は前年比で700%増えているが、今回の政府からのSMSの機会を悪用した詐欺がまた増えるのでないかとの懸念だ。

公衆衛生庁や社会対策防衛庁からのSMSには別のサイトへと誘導するリンクはつかない。警察では同じようなSMSにリンクがあっても決してクリックしないように注意を促す。

スウェーデン政府は頻繁に記者会見を開きテレビのニュースや他の番組も常に最新の情報を届けているが、このようなメディアを熱心に見るのは年齢層が高めの人たちが多い。また言葉の問題もあり、移民にも情報は伝わりにくい。

政府はメッセージが届いていない層に情報を届けることに苦心しており、このSMS配信の他にも、少し前から首相や大臣たちは若者に人気のインフルエンサーのインスタライブやYoutuveの動画配信にゲストとして出演することを始めている。政治家側にぎこちなさは残るものの、評価は概ね好評でこの取り組みは今後も続けられる見込みだ。

昨日は日本の首相も人気のある動画サイトに出演していたそうだが、こちらの方はまずは普通の記者会見をちゃんと続けてほしいものです。

コロナMSMがスウェーデン全国の住民に情報を届ける

コロナSMS配信を前に警察が詐欺に警告

政治家のコロナ関連情報を拡散にインフルエンサーが協力

© Hiromi Blomberg 2023