今朝起きたら、SVTのニュースサイトでは「ダメノSMS」のニュースがトップにきていると思ったのに「岐路に立つアメリカの共和党」の解説記事がトップになっていてがっかりした。
「ダメノSMS」とは、報道されていたとおり昨日全国2200万の携帯電話に向けてスウェーデン政府が送ったSMS(携帯電話ショートメッセージ)に、私が勝手につけた呼び名だ。政府の中核にいる人たちが国家を襲う一大危機に際して知恵を絞って実施した施策なのに、そのダメダメぶりは「アベノマスク」に通じるところがある。
ただしアベノマスクは500億円近くの予算を想定して行われたもので、関係者の利権も関わっていそうなので日本の納税者はもっと怒っていいと思うが、おそらくは「そういえばそんなこともあったな」と早くも忘れてきた人も多いのかもしれない。
「ダメノSMS」に話を戻すと、昨日の朝、仕事で使っている方のスマホに届いたSMS(上の写真)はとても怪しいものだった。内容は「Fohm, MSBから。行政からのお知らせです。厳しくなった勧告に従ってCovid-19の感染拡大を阻止しましょう。詳しくはKrisinformation(危機情報)のウェブサイトで」と書かれている。これだけだ。またスウェーデンでしか書かれていない。プライベートで使っているスマホには同じものが13時35分に送られてきた。
政府がSMSを送ると知っていなければ、これほど怪しくまた受け取った後どうしたらいいのかよくわからないSMSもない。Fohmが公衆衛生庁の略だとわかる人はどれくらいいるのか? MSBが社会防衛対策庁だと知っている人には、たぶんこのSMSは必要ない。
Twitterなどでも評判は散々で、野党穏健党のある議員は、「他国ではデジタルの感染源確認、GPSを利用したクラスターの発見、ブルートゥースも駆使し、感染の疑いのある人には自動メッセージを送るなど、高度な技術を駆使している時に、スウェーデンはウェブサイトへのリンクもないテキストメッセージを送るだけ、なんて! それにSMSがくることは、先週、大臣が4人も記者会見を開いて、既にみんな知ってたよ!」とめった切りだ。
社会防衛対策庁によると、SMSにリンクを付けた場合の安全性を確保できないということで、このなんとも中途半端なSMSになったのだそう。
今日は政府のコロナ対策を評価する「コロナ監査委員会」が初めてその報告書を発表することになっているのだが、この「ダメノSMS」は直近すぎて、今回の監査内容にはいっていなさそうで残念。
それにしてもスウェーデンと日本のこのコロナ対策の微妙なイケてなさ具合に、思わぬ共通点を見つけて苦笑いだな、これは。