swelog ここだけのスウェーデンのニュース

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はびこっても取り締まれない麻薬郵便

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ドイツとベルギーの港でオランダへ運ばれるはずだったコカイン23トンが当局に押収されたというニュースにも驚いたが(23トン!)、スウェーデンの郵便局Postnordが、毎日大量の麻薬を普通便で配達していることを自らも知りながらも取り締まれないというニュースにも驚いた。

インターネット上で購入し、家まで配達してもらう形の麻薬のオンライン販売は増えており、スウェーデン警察では現在の麻薬取引全体の最大10%程度を締めるとみている。こうして普通便で配達される麻薬郵便の数は年間70万から100万通程度と推定されている。

ブツはドライシールドやMBBと呼ばれる内容物を保護し隔絶するパッケージに入れられて家の郵便受けまで配達される。現在のスウェーデンの郵便法では、郵便業者は郵便物の内容を確認したり、違法なものが送られていると警察に連絡することは禁止されている。これは私たち利用者のプライバシーを保護するためだった。

Postnordは毎日700万通の郵便と5万個の小包を扱っているが、仕事はこれを配達すること。内容の確認はその業務内容の範疇ではなく、また行うことも禁止されている。

スウェーデン政府は、麻薬や武器、爆発物などの違法取引を防ぐことを目的として、郵便法の改正をどのように行うことができるかの下調査に入っており、4月30日には最初の報告書が提出される予定だ。

麻薬は怪しい人から売られているものが本物かどうかわからないまま購入するような危険を冒さなくても、ダークネットのオンライン販売業者のユーザー評価を確認しながら、家まで安全に配達してもらうものになったし、銀行強盗は現金輸送時に変装と武装で行わなくても、キーボード上でできるようなものになった。

犯罪から血生臭さがどんどんなくなり、私のようにのんきに暮らしていると社会の闇の顔がみえなくなっていく。誰もが自分の身分は明かさないままで、よってたかって著名人や有名人へも直接誹謗中傷ができるような世の中にもなってしまったし。

普通郵便で配達される麻薬(SVT)

違法薬物はこうしてオンラインで販売されている(SVT)

エリックはダークネットで麻薬を買って家に配達してもらう(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021