一年半ほど前にスコーネの電気飛行機の会社、Blackwingを取り上げたことがあった。
今回また、別のスウェーデンの電気飛行機屋さんへの取材記事を読んだのでそれを紹介したい。
Heart Aerospace社は、この先5年以内に19人乗りの大型電気飛行機の認可を取るべく開発を進めている。飛行機は400キロを飛ぶことができるという設計で、目指すのはスウェーデン国内や北欧諸国間の短距離商業運用を、従来のジェット機やプロペラ機に代わって担うこと。
乗り越えなけばいけないチャレンジは、電気自動車と同様、搭載するバッテリーの容量と効率だ。現在の技術では飛行燃料1キロの燃料効率をバッテリーで置き換えようとすると、バッテリーの重さは30キロにもなってしまう。
さらに、バッテリーそのものの製造は中国で石炭を使用して行われているなど、気候危機へさらなる負の影響を与えている側面もあり、バッテリーの製造はスウェーデンで行うべきだという考え方も主流になってきているそうだ。
ストックホルム工科大学の交通学研究者ヨーナス・オーケルマンは、スウェーデンの国内飛行が電気飛行機に切り替わることで10%程度の気候への好影響がでると予測しているが、それは早くても2050年頃になる。
電気飛行機を熱く開発してしまう気持ちもわかるような気もするが、それよりも国内を飛行機で飛ぶのをやめたほうが話は早くないだろうか?