スウェーデンでは気候危機問題に直接影響する石炭を使った電力発電はほとんど行われていないが、電力全体の使用量を削減する目的で、家庭や中小企業の電力への税金は引き上げられている。電気代が高くなるので、最新の技術で電力消費量を低くした冷蔵庫の購入を考えている話も時々耳にする。
ところが、労働者の仕事を守り海外企業との競争力を高めるという目的のもと、大企業の支払う電力税は驚くほど低く抑えられている、とSVTがレポートしている。
例えば製紙大手のStora Enzoでは2017年の電力税優遇免除分が10億クローナ(約116億円)。産業全体では、この措置により支払いを優遇された税額全体は152億クローナ(約1757億円)になるそうで、これはスウェーデンの気候問題に対処への予算総額よりも多い。
Stora Enzoは、税金に関する政策決定権利はあくまで政府にあるとし、仮に電力税が引き上げられることでスウェーデンの工場の価格競争力がなくなれば国外移転となるだろう、とコメントしている。そうすれば今働いている人達も職を失う。同時に電力が安いことで、電力節約の緊迫した必要性はあまりないはずだ。
なかなか難しい問題ではあるものの、家の中の電気とかこまめに消してるの、ちょっとアホらしく感じてしまうニュースだった。