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友達のできない国の100万人の孤独

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こちらのクリスマスや日本のお正月のような時期には、好むと好まずに関わらず一人で過ごすことになった人は「孤独」という言葉を頭に思い浮かべずにはいられないだろう。

特に自ら望まない「孤独」の心身への悪影響は、様々な研究結果から明らかだそうで孤独を苦痛に感じる人は抜け出す一歩を踏み出すべきだと精神科医が勧めているのが今日引用記事だ。

この記事でインタビューに答えている精神科医は「スウェーデン統計局の調査によればスウェーデンで孤独であることで苦痛を感じることのある人は100万人を超える」と話している。

彼女が参照してしているのはおそらく統計局の「社会的孤立に関する調査」だと思われるが、私は調査結果からは100万人という数字は見つけることができなかった。しかし調査のプレスリリースには「30万人が社会的に孤立している」とあり、これだけでもかなりの数字であるのは間違いない。

記事ではもうひとつ興味深い統計も紹介されていて、それは「スウェーデンは新しい友達ができにくい国」というものだ。これは毎年Internationsが海外で暮らす駐在員(Expart)を対象としている調査(Expat Insider Survey)で、2017年にスウェーデンは対象となった65カ国の中で育児や医療の制度の面では高評価を得たものの、新しい友人を見つけるという項目では最下位となったという結果だ。

私自身、スウェーデンに引っ越してきて仕事も見つかり毎日楽しく暮らしていたものの、5,6年経った頃周囲にいるのは"家族と仕事の仲間、それに夫と以前から仲のよかった友人たちとそのまた家族"ということに気が付き「自分の友だち作ろう!」プロジェクトに取り組んだ経験がある。(その後無事、たくさんのお友達ができた♡)。

今孤独に悩んでいる人は、まずはその孤独についてだれかと話してみるのもいいそうだがそれは気が重い人は、まずは外に散歩に出てみる、バス停で一緒になった人に挨拶してみるというほんの小さなステップから始めてみてもいいかもしれない。

そこら中にある孤独

© Hiromi Blomberg 2023