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高校生の出欠は顔認識で

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未来的なスウェーデンの今

プリペイドカードやアプリではなく、体に埋め込んだマイクロチップでの電車乗車がスウェーデンでは2017年から始まっている。よくメディアにも取り上げられているので聞いたことがある人も多いかも。

www.newsweekjapan.jp

顔認証で授業にチェックイン

スウェーデンの最北シェレフテオ市のアンデシュトルプ高校では、生徒の授業への出欠を教室に設置したカメラを利用した顔認証で行うテスト運用が行われた。

高校生のクラス選択にはかなりの自由度があり、クラスごとに出欠をきちんととるだけで、教師はかなりの時間を割かなければならない。

この高校ではすべての教師を合わせると、年間合計で1万7千時間もの時間が出欠を取るためだけに使われているという試算だった。

顔認識チェックインシステム運用の検討は、この時間の効率化と並んで、遅れてきた生徒の出欠管理を正確に行うことが難しい状況の改善も視野に入れていた。

バイオメトリクス技術と個人の尊厳問題

サイバー先進国の中国では、顔認証でコンビニでの買い物もかなり普及している。

スウェーデンも先の電車でのマイクロチップの運用が始まっていることからもわかるように、個人の足跡情報がデジタル記録されることにはかなり寛容だ。先の高校でも生徒から特に大きな不安は申し立てられなかったそうだ。

フィレフテオ市ではこの高校の一クラスだけで行われた今回の実験の結果には満足しているが、設置されたカメラなどは現在一旦取り外されており、今後の本格的な運用を検討しているという。

ただ、実験のために開発されたシステムは、認識された顔とそのタイムスタンプを記録するだけのものだったが、それでもかなりの個人情報関連の法的問題を解決しなければならなかった。

知らぬ間に顔認証されているかもしれない現実?

既に、テイラー・スウィフトがストーカーを突き止めるために自分のコンサートで観客に顔認識を使っていたように、顔認識が将来的に個人を識別するためのメインの技術として普及していくことは間違いないだろう。

論点は、どれくらいのスピードで普及していくか、また認証技術を使っていることがどれくらいきちんとパブリックにされた形で普及していくかの点に集約される。

 

生徒の出欠をカメラ技術を使用して行う高校の実験 (SVT Nyheter)

 

 

© Hiromi Blomberg 2023