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警官と動画とSNS - ストックホルムの場合

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アメリカでの警官のひどい暴力を撮影した動画がSNSで拡散し続けられているが、昨日ストックホルムでは「ツイッター警官」が動画撮影に関して怒りと悲しみをこめたツイートをして、話題を集めた。

(「ツイッター警官」に関しては以下の記事を参照ください)

「炎上には意味がある」−警察官のツイッターアカウント - swelog 今日のスウェーデンのニュース

ツイッター警官であるヴィクトール・アドルフソンを怒らせたのは、一人の若者の死を巡る私たち一般人の行動だ。

ストックホルムの路上で10代後半の男性の自殺が見つかった時、警察は救命の可能性があるかを模索し、同時に目撃者を探し、近親者への連絡をとろうと奔走していた。そこに出くわした通行人がスマホでその様子の撮影を始めた。

現時点では動画や写真を公開することに関する法律はあっても、このような場合に写真や動画を撮影すること自体を禁止する法律はない。

アドルフソンは現場に立ち会わせたわけではなく、今回は同僚からその様子を聞いただけだが、彼の自身の経験からもこのような場で通行人が撮影される側の人間の尊厳もよく考えずに、スマホを取り出すことがとても増えたと話している。

冒頭でふれた今アメリカで起こっていることを見ても、一昔前なら報道関係者しかできなかったような現場の状況を写真や動画で一般人が発信できることがよい状況へとつながっているのは間違いない。

でもなにごとにつけても、できるからといってなんでもやってもいい、にはつながらない。

SVTニュースのこの記事の最後に紹介されていたのが、自殺を考えるほど気分が優れない人たちが電話で連絡できる相談窓口の一覧だ。男の子に必要だったのは自殺する前の助けで、死んでから知らない人に動画で記録されることじゃない。あぁ、ほんとになんか悲しいニュースだな。

死んだ男の子を撮影ー警官が怒り心頭