陸軍を倍増し、兵器を購入
スウェーデンの軍事防衛費は、今後、数年にかけて5割増の勢いで増えるかもしれない。
長らく武装中立国で、かつ近年は軍事防衛費を削減させてきたスウェーデンが、その大幅増を検討している。ダーゲンス・ニュヘテルは防衛委員会の提案に、国会で過半数をとる政党が既に賛意を表明していると伝えている。最終提案報告書は3ヶ月後に提出される。
委員会の提案は、陸軍では要員を倍増し、グリペンを数台と潜水艦をもう一隻購入するというもの。また海軍のレーダー航空機や対空防衛ロボットの必要性も指摘されている。
近隣NATO諸国を下回る基準
現在の防衛費は、標準的な国際基準と同レベルの国内総生産 (GNP) の1%だが、これを段階的に引き上げ、「防衛と国民の緊急時への準備費」として、2025年にGNPの1.5%まで引き上げる提案となっている。その場合予算は、2018年の540億クローナ(約6400億円)から2025年には50%増えて810億クローナ(約9700億円)になる。
NATOに加入してしているスウェーデンの近隣諸国は、同基準はおおむね1.5%〜2%だ。
スウェーデンでは半数が増強を支持。さて、日本の現状をどうみよう?
2018年12月に実施された世論調査でも約半数の46%の人が軍事防衛費の引き上げを支持している(37%が現状維持、7%引き上げ反対)。領海の近くでのあやしい潜水艦目撃情報は、去年もニュースを賑わせた。
中立国で軍事武装を国の中核とするスウェーデンと、戦争放棄の前提で同盟国と国防をなそうとする日本。スウェーデンの立場ははっきりしていてわかりやすいが、日本の場合は状況は複雑で、私には判断するのが非常に難しい問題だ。
まずはファクトフルネスに従って、ちゃんと現状を理解することから始めるとしよう。