高校に入学した生徒の四分の一が卒業を待たずに中退してしまう。
2年前に、わずか入学後5ヶ月で高校をやめてしまったヴィクトールは、学校側は彼のことを気にかけず、やめるといってもその理由も聞かれなかったと話す。今はカフェで働いたりしている彼は、高校をやめてしまったことを後悔はしていないが、もうすぐ卒業式を迎える同級生たちに話が及ぶと、卒業できていたらどんなによかっただろうとも言う。
スウェーデンの高校の卒業式は特別だ。日本の成人式のような感じで盛大に祝う。その影で、こんなに多くの高校生がやめてしまっていたとは知らなかった。
事態を重くみた学校庁は、いくつかのパイロット校でやめていく高校生を引き止めるプロジェクトを試している。効果をだしているのは、早めに生徒のちょっとした変化に気がついて声を掛けるとか、学校のボロボロのロッカーを新調して環境を整えるといったこと。
気にかけてくれる人が一人でもいるかいないか、その差は大きい。