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ロジックのないコロナ規制緩和

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いえ、これは日本の「Go Toキャンペーン」のことではなくて、昨日スウェーデンで発表されたスポーツやコンサートなど文化イベントでの人数制限緩和のこと。3月中旬以降これまで最大人数は50人とされていたのが、この10月15日からは、観客の間で安全な距離が保たてる場合はこれが一気に500人へと拡大される。

だが、スウェーデンではとても落ち着いた夏の状況と比べる、感染が確認された人の数は再び上昇傾向となっており、ストックホルムの広域医療の責任者が「とても注意しなくてはならない状態」と警戒するように声をあげたばかり。

この人数制限の変更を発表した文化・スポーツ担当大臣のアマンダ・リンドは、感染拡大傾向の中での制限緩和は矛盾しているのではないかとの批判を受けて「すべての側面で筋が通っている解決策を見つけることはとても難しい」と話している。

一度に500人といっても、大きなアレーナと小さめのコンサートホールでは状況が大きく異なる。考えられる状況をすべて網羅したルールを作るのは無理だし、これはイベントを開催する方も観客として参加する方も、大枠のルールに従うだけでなく、これまで各自理解してきたコロナの中の振る舞い方を、それぞれの状況に合わせて自分で考えて続けていかなくてはいけないということだろう。

状況に合わせて自分で考えて判断するという点で、最近なるほど、と思ったのが、ジブリからの「今月から、スタジオジブリ作品の場面写真の提供を開始します。常識の範囲でご自由にお使いください」という新しい使用ライセンスの提供方法。これまでも仕事で時にはアホみたいに細かい(失礼!)使用許諾書ばかり読んできたので、この一行ライセンス許諾はかっこいいいなぁ。

コロナもやはり、ルールは守ったその上で、今、明らかになっている共有知の範囲内で自分で責任のある行動をとってください、が基本だろうな、やはり。

アマンダ・リンド大臣がコメント「すべての面で論理的な解決策を見つけることは無理だろう」

【今日の写真について】

冒頭の写真はプラ容器を減らそうと少し前から使っているLushの固形シャンプーとリンス。今回は通販で買ってみたところ、生の石鹸たちがこんな形で送られてきた。緩衝材として使われているのはプラスティックではなく、コーンスターチからできたもので、水につけると溶ける。包装も世界のいろいろ進んでいるのだぁ、と感心することしきり。

© Hiromi Blomberg 2023