インスタグラムのアカウントを使って株価を操作する不正が増えている。
その手口は小さな会社の株式を多く購入した後、自らのフォロワーに「この株式で絶対に儲かる」という情報を流し、多くの人が同じ株を買って株価がグンと上昇したところで自己保有の株式を売却して大儲けするというもの。
煽られた情報で株を買ってしまった人は、詐欺師が株を売却したところでグズのような値段になってしまった株を手にし呆然とすることになる。
株価不正の手口としては昔からよくある手段だが、SNSの情報伝播力の速さとこの株価操作不正との相性はよく、これまではフェイスブックやツイッターを舞台としてきたこのやり口が、コロナ禍の今、その活動場所をインスタグラムやTiktokに移してきた。
インスタグラムで株を始めたクリスティーンさんは「株はスーツ姿の男性がやるもの」とのイメージとは異なり、インスタグラムでは株を自分に身近なものとして感じることができたと話す。
シェアされる情報はヴィジュアルでわかりやすく、理解するのに骨を折ることもない。彼女の最初のきっかけはインスタグラムだったが、その後経済誌を購読、株式ポッドキャストを聞いたり株取引に関する講習会にも参加するなどしてその後も知識を深めている。
簡単に素早く誰もが儲かる話などないのだからインスタグラムでカジュアルだからと安心したりせず、うまい話には気をつけるとしても、この株価操作で勝手に株を買われたり売られたりするおそらく市場に上場したばかりの小さな会社にとっても本当に迷惑な話ですね、これ。